2011年2月12日土曜日

子宮頸がんワクチンの真実

去年の6月頃からサーバリックスに関するブログ・ツイートなどが増え、ネット上で色々と不安が広まっています。そこでサーバリックスに関して私が調べた事をブログにまとめておきたいと思います。

医療関係者や有志の方達とサーバリックス・子宮頸がん予防ワクチンに関するWikiを作成することになりました。 まだ、作成途中ですがcervarix @ ウィキもご覧下さい。

ここで取り上げるのは次の4点 サーバリックスで不妊になるのか?サーバリックスは危険なのか? サーバリックスの効果とは?サーバリックス接種時の注意事項 です。

また、おまけとして「【桜井裕子】子宮頸癌予防ワクチンの危険性[桜H23/1/7] を観ての私の感想」「南出氏の発言を書き起こしたもの」もあります。

また、当ブログの薬害:サーバリックス不妊説その1を読んでいただくと、私がこの問題にどうして首を突っ込む事になったかがわかります。私も最初は不妊説を信じてしまったくちです。


サーバリックスで不妊になるのか?

最初に、何故サーバリックスを接種すると不妊になると言われ始めたのか? それは南出喜久治氏のYouTube動画「サーバリックス子宮頸がんワクチンによる民族浄化/弁護士 南出喜久治」が発端になっています。この動画及び派生動画は度々削除されるので興味のある方はYouTubeで「南出 サーバリックス」で検索するとすぐに分かるので参照してみてください。なお、私がこの動画を見て南出氏の発言を書き起こしたものをこの記事の最後に転載しておきます。

さて、南出氏はサーバリックスが断種ワクチン・不妊ワクチンと訴えているが何を根拠にその様な事をいっているのだろうか?それは、境春美・木村三生夫両氏による「どうなる今冬のインフルエンザワクチン WHOによるパンデミック宣言の真相解明のために欧州会議が調査を開始」という論説が発端のようである。この論説が41ページにある「注10」が南出氏の主張と全く同じです。そこには次のような記述があります。

スクワレン(ノバルティスファーマのMF-59,GSK のAS04に含まれる)は1998年にペット用のワクチンのアジュバント-9を人間用に開発したものであり,アジュバント-9を接種された動物は不妊症になるという.2009年12月22日,わが国でGSK のヒトパピローマウイルスワクチン(商品名 サーバリックス)が発売された.サーバリックスに添加されているアジュバントはAS04である.AS04アジュバント複合体はグラム陰性菌Salmonella Minnesota R595株のリポ多糖の非毒性型誘導体である3-脱アシル化-4’-モノホスホリル リピッドA(MPL)34)と水酸化アルミニウムより成ると添付文書に書かれている.さて,リピッドは油/脂肪酸である.そして,MPL こそFDA,NIH,米国国防省が1998年に至急の手順で臨床試験を行った新遺伝子組み換えAnthrax vaccine に使用された2種類のスクワレンをベースとするアジュバントの1つである33).(もう1つはカイロン社のMF59-これはノバルティスファーマのA(H1N1)2009<単価ワクチン>に添加されている)34)その他に,MPL(AS04)はスクワレンがベースであるという情報も複数インターネットに掲示されている113-116).

この文章を簡単に纏めると、「以前、動物用不妊ワクチンにアジュバンド-9が使われていた、アジュバント-9を投与されると不妊になる。そのアジュバンド-9に改良に改良を重ねたのがサーバリックスで使用されているアジュバントAS04である」という感じです。まさにサーバリックスを接種すると不妊になるような記述である。しかし、境・木村両氏はアジュバントのことを理解しているのだろうか?

まずはWikipediaでアジュバントを調べてみよう。アジュバント - Wikipediaこれには次のように書いてあります。

アジュバントは、抗原性補強剤とも呼ばれ、抗原と一緒に注射され、その抗原性を増強するために用いる試薬である。

さらに、サーバリックスに使用されている「水酸化アルミニウム」を主としたアジュバントに関しては次のように書かれています。


沈降性アジュバント(抗原が吸着する無機物の懸濁剤)
  • 水酸化ナトリウム、水酸化アルミニウム(アラム、Alum)、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、ミョウバン、ペペス、カルボキシビニルポリマーなど。
  • 病原体やある抗原を吸着し、接種局所病原体を固定する利点もあるが、その性質の為、接種部位が硬結しやすい。

つまりアジュバントとは、「抗原を不溶化することで組織に長くとどめ、抗原を徐々に長期間遊離させること」「投与局所に炎症を起こし、マクロファージが集まり抗原が貪食(食作用)されやすくなり、抗原提示が効果的に行われる」「投与局所や所属するリンパ節の、T細胞やB細胞の活性化を強める」という作用のために使われているにすぎない。

素人の私が調べたものに信憑性がないと言われる方もいると思うので、次のリンク先の「薬作り職人のブログ」をよく読んでみて下さい。「輸入インフルワクチンで不妊」は嘘・デマです。ここには次のように書いてあります。

不妊ワクチンは、「精子または卵子を構成する特殊なタンパク質を体内に投与し、体内でこのタンパク質に対する抗体を作って、精子や卵子に対する免疫反応を起こし、不妊を起こす」というものです。

ここで、気をつけなくてはいけないのは、「不妊ワクチンが不妊を引き起こす原因となる物質」は、「動物の精子または卵子を構成する特殊なタンパク質」だということです。アジュバントは、「動物の精子または卵子を特殊な構成するタンパク質」に対する抗体を産生する「手助けをする物質」に過ぎません。

だから、アジュバントだけを投与しても、不妊は起きません。「動物の精子または卵子を構成する特殊なタンパク質」を含まないインフルエンザワクチンに、アジュバントが添加されたからと言って、不妊が起こることはありません。

アジュバントとは、あくまでワクチンの働きを促進させたり、長期に渡って効果を持続させたりするだけであって、決してアジュバント自身が不妊を引き起こすということはない事が分かります。つまり、南出氏の主張の元となる境・木村両氏が訴えていた「アジュバント-9を接種された動物は不妊症になる」という主張自体が間違いであることが分かります。

また、「そもそも何故アジュバントを使わなければいけないのか?」という疑問もあると思います。その答えは同じく「薬作り職人のブログ」のワクチンの隠し味「アジュバント」。を読んでみると分かると思います。

すなわち、不妊作用を起こすためには「体内で【精子または卵子を構成する特殊なタンパク質に対する抗体】を作って、精子や卵子に対する免疫反応を起こす必要がある」しかし、本来子宮頸がんの予防のために作られたサーバリックスには精子または卵子を構成する特殊なタンパク質は入っておらず、それを接種したとしてもこの様なタンパク質に対する抗体は体内で作られるはずがない。従って「サーバリックスにより不妊になる」というのは全くの嘘・デマであると結論します。

また、サーバリックスは日本が導入する前にすでに100ヶ国以上の国々で使用されており、日本はサーバリックス後進国とまで言われています。それらの国々で未だにサーバリックスで不妊になったという様なことは起きていません。これはサーバリックスにより不妊になるというのは全くの嘘・デマであるというこの結論を補強するものでしょう。

サーバリックスは危険なのか?

サーバリックスは危険だと訴えている人がよく指摘するサイトの1つに「THINKER - 子宮頸がんワクチンの危険性」というサイトがあります。 まずはこのサイトを引用しながら話をして行きたいと思います。また、THINKERからの引用分はこの文章に施されたのと同じ背景色をつけており、引用文に対する私の意見は【】で囲ってあります。THINKER以外の話題についても後述しますのでそれだけみたい場合はリンクを利用して下さい。

子宮頸がんワクチンの危険性

昨今話題となっているワクチンのひとつに、「子宮頸がんワクチン」があります。

テレビや新聞の情報を見ているだけでは、想像できないかもしれませんが、このワクチンは、予備知識なしで、気軽に接種してよいものではないようです。しかし、一般には広く、「子宮頸がんを100%予防できるワクチン」のようなイメージで宣伝されています。

すべてのワクチン接種には、死亡例を含む副反応があります。 それは、この子宮頸がんワクチンにおいても、例外ではありません。

本来、人の命を守る役目を担うはずの製薬会社、医療機関および政府が、接種を考慮するのに必要な情報をわかりやすく国民に提供せず、良い面ばかりを伝えています。こういった社会の風潮に警鐘をならす想いで、言及することにしました。

【ワクチンや薬に100%安全ということなどありませんので、ここまでは特に問題はありません。】

「子宮」という言葉を聞いて、ともすると、この話は自分には関係ないと思われた男性もいるかもしれません。しかし、世界の動きをみていると、どうもそうは言ってられなさそうです。

特に最近のアジュバンド(免疫賦活剤または免疫増強剤)を添加した各種の新型ワクチンがもたらす人体への長期的な影響については、いまだ実験段階にあり、不妊症を引き起こす可能性が、ささやかれています。

子宮頸がんワクチンも例外ではありません。大げさに聞こえるかもしれませんが、ワクチンは、もはや人類の存続問題としてみたほうがいいでしょう。

ことの全貌をよく理解していただくために、「子宮頸がん」と「子宮頸がんワクチン」についての基礎知識をまとめてみました。

【アジュバントを添加したワクチンがもたらす長期的な人体への影響が不明確な事は認めます。理由はアジュバントが出来、承認され、使用されるに至るまで50年100年という長い期間がないからです。しかしそれは疼痛などの副反応であり、不妊症を引き起こす可能性まで言及するのはどうでしょう?不妊になるかどうかはサーバリックスで不妊になるのか?で述べた通りです。】

「子宮頸がん」とは

「子宮頸がん」とは、子宮の出口付近である子宮頸部(しきゅうけいぶ)にできるがんです。子宮の中にできる「子宮体がん」と異なります。

『がん』と聞くと、がん家系の人は、自分も罹りやすいと思いがちですが、子宮頸がんは遺伝に関係なく、原因のほぼ100%は、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスの感染によって起きるとされています。多くの場合、このウイルスは性交渉によって人から人へ感染するとされ、中でも発がん性のあるHPVには、女性の約80%が一生に一度は感染していると推定されます。このため、性交渉経験のあるすべての女性が子宮頸がんになる可能性を持っているとされています。

子宮頸がんは、近年、20代後半から30代の女性に急増し、発症率が増加傾向にあります。現在では、がんによる死亡原因の第3位で、女性特有のがんの中では乳がんに次いで第2位。特に20代から30代の女性においては、発症するすべてのがんの中で第1位となっています。

【前半は子宮頸がん及びHPVに関する正しい情報が載っています。後半は図録 がんの部位別死亡率の推移を見てみると、子宮がん(子宮頸がんを含む)の死亡率は1975年を境にして2位から転落し2009年時点では7位となっているようです。ただ、統計のとり方の違いなどがありますし、個人的には予防できるがんなら予防した方がいいんじゃないの?というスタンスなので THINKER における子宮頸がん(「子宮頸がんワクチン」じゃなく)の危険性の強調に関しては見なかったことにします。】

子宮頸がん、原因はウィルス

ドイツ人のウイルス学者であるハラルド・ツアハウゼン氏は、1976年に「HPVが子宮頸がんの原因である」という仮説を発表しました。そして、1983年に子宮頸がん腫瘍の中にHPV16型のDNAを発見しました。翌年には、HPV18型のDNAも同腫瘍中に発見し、この研究結果を元に2006年には、子宮頸がんワクチンが製造されました。

HPV(ヒトパピローマウイルス)は、パピローマウイルス科に属するウイルスの一種で、現在確認されているだけでも約200種類あります。このウイルスは、大きく2種類に分けられます。皮膚に感染する上皮型と粘膜に感染する粘膜型です。

この粘膜型のうち、発がん性の高い15種類が、子宮頸がんの原因とされています。 具体的に示すと、HPV16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68,73,82,(ときに26,53,66) 型です。

実際には、これらの発がん性HPVに感染しても90%以上は、免疫により体内から自然に消失するため、子宮頸がんに進展するのは、約0、1~0、15%とごくわずかです。 また、子宮頸がんになるまでには通常、数年~十数年かかると推測されています。

【ここではHPVに関して述べています。子宮頸癌 - Wikipediaとは多少の数字の違いが認められますが、特に間違ったことは書いていません。ただし、HPVに感染した場合子宮頸がんに至るのは1%以下でしょうが皆無ではないのも確かです。】

そのため、子宮粘膜に異常が見つかったからといって、安易に手術するよりも、観察が大事であるという専門医もいます。

【これはどうなのでしょうか?私は専門家ではないので手術をするしないに関してはよく分かりませんが、子宮頸がん予防ワクチンに関して述べているのであるから、予防の話の中で手術の事を述べるのは少し不自然に感じます。ちょっと論点を外すために付け加えたようにみえます。】

子宮頸がん予防ワクチン

現在、子宮頸がん予防ワクチンとして、米・メルク社の「ガーダシル」と英・グラクソ・スミスクライン社の「サーバリックス」があります。2010年3月現在、国内で厚労省に認可されているのは、後者のみです。

製造元の英・グラクソ・スミスクライン社によれば、「予防効果がどのくらい続くのか」 「追加接種が必要か」については、まだ不明とのことです。 同社は、「半年に3回の接種で、最長で6.4年間くらいは、HPVの感染を防ぐのに十分な量 の抗体ができる」としています。

【ここで述べられている6.4年とはサーバリックスの追跡調査を行った期間です。サーバリックス製品情報>サーバリックスの接種時期-5における「海外データにおけるシミュレーション」のグラフの下の注意書きで確認出来ます。また、サーバリックス製品情報>サーバリックスの接種時期-4においては「少なくとも7.3年にわたり、HPV 16および18に対する抗体価が自然感染時の13倍以上および11倍以上に維持されました。」とあるので、数字の多少の差異はありますが概ね正しい情報です。また、「抗体価」というのは、動物がウイルスに感染すると血清中に抗体を産生するが、ウイルスなどの蛋白質(抗原)に対して産生された抗体の量を示す指標であり、血清を2倍ずつ段階的に希釈していき、抗原抗体反応により抗体価を決定します。そうすると、ある段階で抗原と反応しなくなり、この反応しない一段階手前の血清希釈倍数の逆数を抗体価として表します。例えば、1/2、1/4、1/8、1/16、1/32、1/64、1/128と順次希釈し、抗原抗体反応で1/64以上に希釈した血清で反応がなくなれば抗体価は32倍ということになります。】

この子宮頸がんワクチンが予防できるのは、HPV16型と18型です。 全ての発がん性HPVの感染を防げるものではありません。

「ワクチンを接種しても子宮頸がんにかかる可能性がある」と製薬会社もはっきりと述べています。また、特筆すべき点は、日本人の子宮頸がんの原因はHPV 52・58型が比較的多く、HPV16・18型は全体の約60%ということです。そのためHPV16・18型予防に製造された輸入ワクチンは、日本人には予防効果がさらに限定的であるということです。(HPV52・58型に対する予防効果は10%程度)

【「HPV16/18型が全体の60%である」と自身で書いてあるのにHPV52/58型に拘った書き方になっています。「52/58型が比較的多く」と書いてありますが数値には言及していません。何故なのでしょうか?少なくとも40%以下である事はこの文章から分かります。サーバリックスのよくある質問には次のように載っています。「海外においてHPV16/18型に近縁の型であるHPV31/33/45型の予防効果も認められており、全てのタイプの発がん性HPVに対する予防効果は、約70~80%になることが期待できます。」また、このことから「全てのHPVの型に対して有効というわけではない」というのは正しい情報ですが予防効果がほとんどないような書き方は関心しません。しかしHPV52/58型に対する予防効果が10%というのはどこから出て来たのでしょうか?それが正しいとするならグラクソ・スミソニアン発表の予防効果70〜80%に加え52/58型の予防効果10%もあるということなので、これも見なかったことにします。】

ワクチンの接種対象

「サーバリックス」の接種対象は、10歳以上の女性となっています。(2010年の時点)また、諸外国における子宮頸がんワクチンの推薦接種対象も、主に9歳から10代前半までの女児です。

同ワクチンは、HPVにすでに感染している人には、効果がなく、また同ウイルスの増殖を刺激するという報告があります。 これらの理由から、諸外国では、性交渉をまだ経験していない、HPV感染前の小中学生の女児を優先接種対象として、早期に接種を済ませる政策がとられています。

【高リスクHPV(子宮頸がんになる可能性が高い)の年齢別陽性率を見てみましょう。HPV Q&A (1)のA4が分かりやすいと思います。グラフで10歳代となっているのは15歳〜19歳のことです。この時点ですでに42%、20〜24歳では40%の女性が高リスクHPVの陽性反応が出ていることが分かります。インフルエンザワクチンでも病気にかかってからでは遅いことは分かりますよね。あくまでワクチンは病気にかかる前に接種するものです。また、HPVは性交渉で移る場合が多いことを考え合わせると、性交渉のないまたは限りなく少ない10歳からの接種というのは不思議ではないと思います。この記事も冷静にみてみれば特に問題はありません。】

海外で疑問視される「子宮頸がんの原因」と「ワクチンの必要性」

さて、現代の医学の通説上、子宮頸がんの原因とされるHPV(ヒトパピローマウイルス)ですが、「実は、このウイルスには子宮頸がんと直接の因果関係がない」と指摘するレポートがあります。

「子宮頸がんワクチンの大ウソを暴く」-マイク・アダムス著、(原題”The Great HPV Vaccine Hoax Exposed”) の中では、アメリカのFDA(連邦食品医薬品局・日本の厚労省にあたる機関)が、子宮頸がんワクチンを認可する以前の2003年の時点には、「HPVは危険なウイルスではなく、感染しても自然に消滅するものである。 健康への長期的な悪影響はなく、子宮頸がんとの関連性はない」と認識していた事実が明らかにされています。

ヒトパピローマウイルス自体は、ごくありふれたウイルスであり、健常者の命を危険にさらすようなものではないということなのです。

更に、マイク・アダムス氏は、このレポートの中で、子宮頸がんワクチン「ガーダシル」が、逆に子宮頸がんの発生リスクを44.6%も増加させることを示すFDAの書類を取り上げています。

さらに同氏は、「この子宮頸がんワクチンは、無益であるばかりか、有害である。さらにその目的は、大手製薬会社の利益以上に、今後のアメリカ政府による ” 各種ワクチン強制接種政策 ” の実施の先陣を切るものである」可能性を指摘しています。この分析を裏付けするような動きが、実際にアメリカ国内で進行中であることは、事実ですが、これについては後述します。

【ここまでの文章は下記の「特別レポート HPV(子宮頸癌)ワクチンの大インチキを暴く」と同じです。HPVが子宮頸がんの原因ではないということに関しては、選挙前.comさんの「「子宮頚がん予防ワクチンの危険性」提言に対する調査結果」の「◎FDAがHPVは子宮頸がんの原因で無いと指摘した件について 」を見てもらえば分かるようにFDAがHPVは子宮頸がんの原因ではないと言及したことはありません。私は証拠となる原文へのリンクもないマイク・アダムス氏より原文がはっきりと分かる選挙前.comさんの主張の方が信じるに値すると思います。本が売れるためなら嘘でも書く人がいることは過去の例から分かりますよね。】

詳しくは、これらの内容を日本語で読めるサイトがありますので、ご覧ください。

【「著名科学者が警告するHPVワクチンの危険性」に関しては、この著者はまず「子宮頸がんで死亡する確率は非常に少ないのにワクチンを接種する必要があるのか?」という考えから始まります。しかしその可能性は0%ではないわけだし予防できるものを予防して問題があるとは思えません。続いて「子宮頸がんワクチンを接種すると不妊になる可能性もある」とも言っていますがこれも子宮頸がんで不妊になるのか?で述べた通りです。さらに「避妊ワクチン」「ブラジルでの強制ワクチン計画」などを取り上げてワクチンに対する恐怖感を煽っています。しかしその内容は著者の脳内で生じた疑問を証拠もなく疑問形で挙げていっているだけです。次にTween80がガーダシルに使われているが「Tween80で不妊になる可能性がマウスの実験で明らかになった」と述べていますが、この実験では通常の投与量の10倍〜100倍のTween80を投与していたようです。この様なデタラメな量を投与されればどこかおかしくなっても当たり前です。水だって大量に飲めば死に至ることもあるのですから。続いて「ヒスタミンと界面活性剤(Tween80)が一緒になると凝血作用が起こる。これは共にガーダシルに含まれている成分だ。さらにヒスタミンは胎盤の壁を越えて胎児まで到達可能」と述べていますが、私の疑問はTween80の方は胎盤の壁を越えられるのか?胎盤の壁を越えたとしてもその凝血作用とはどの様なものか?の2点です。これは専門家に聞かないと分からないですね。また、ガーダシルはまだ日本では認可されていないワクチンなので、サーバリックスに関しては心配する事はなさそうです。】

【「ハーパー博士に精神的圧力をかけたのは誰?子宮頸癌の専門家がHPVワクチンの警告を撤回した!」に関しては、子宮頸がん否定論者が都合のいい事を言っているようにしかみえません。ハーパー氏が捏造だと言ったのだから捏造だったのではないののでしょうか?】

アジュバンドの危険性

ワクチンの危険性について、まず知っておかなければいけない基本的なことが、「アジュバンド(免疫増強剤)」です。

子宮頸がんワクチンをはじめとする最近のワクチンには、アジュバント(免疫増強剤)が添加されています。アジュバンドの働きで、ワクチンの有効成分が、より長く体内に残留し、人体の抗体反応を刺激するため、ワクチンの効果を増すとされています。

アジュバンドには沈降性タイプと油性タイプの2種類あります。 沈降性タイプは、ワクチンの有効成分(死菌など)にしみ込ませて、体内に長期間、残留させる仕組みです。

沈降性アジュバンドの代表的な水酸化アルミニウムは、マウスを使用した実験において、脳内の運動ニューロンを死滅させることが知られています。 人間の脳は、マウスの5倍脆弱です。ワクチン接種が、脳機能の一部を破壊してしまう危険性があります。

アルミニウムとアルツハイマー病の関連情報によると、「アルミニウムの通常の平均1日摂取量は大人で1-10mg。医薬品の制酸薬に含まれる水酸化アルミニウムの吸収率は0.01%。1日当たりのアルミニウムの許容摂取量は体重50kgの人で50mgとなります。」とあります。また、mgは1000分の1gであり、サーバリックスの1回に接種するに当たりそれに含まれる水酸化アルミニウムの量はサーバリックスの説明書によると500μg(マイクログラム)です。1μgは100万分の1gですのでアルミニウムの1日当たりの許容摂取量は50000μg、すなわちサーバリックスを1回接種すると1日の許容量の100分の1を摂取することになります。私はこれを問題だとは思いません。】

「3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドA」は、油性アジュバンド。 「水酸化アルミニウム」は、沈降性アジュバンド。 この二つ合わせたものが、「AS04」アジュバンドです。

【ここでも選挙前.comさんの「「子宮頚がん予防ワクチンの危険性」提言に対する調査結果」から引用させていただきます。リンク先を「◎「サーバリックスにスクワレンが含まれる」との件について」の選挙前.comさんの発言に「GSKのプレスリリースでも、「AS04は、アルミニウム塩とmonophosphoryl lipid A (MPL)から成っています」と記載されていますし、公式Q&Aでも「HPVワクチンに含まれているアジュバントは、油性アジュバントではありません」と明記されています。念のためGSKのお客様相談室にも確認しましたが、「サーバリックスにはスクワレンは含まれません」との回答を得ています。」とあります。よって以下の油性アジュバントに関する記述は無意味になります。】

一方、油性タイプは、有効成分(死菌など)を油の膜で包み込むことにより、体内に長期間、残留させる仕組みです。人体は、この油性アジュバンドという「大型の異物」に対し様々な反応を起こします。その反応の中に、「肉腫形成」と呼ばれる現象があります。人体は、この「大型の 異物」が体内に分散して広がっていくのを阻止し、封じ込めようと「肉腫」を形成させてしまうことが、稀にあるのです。このような「大型の異物」を人体に注入することには、かなりの無理があるため、アジュバンドによる発癌性を指摘する声もあるのです。

特に知っておきたいのが、今回の子宮頸がんワクチン「サーバリックス」のアジュバンドで、「AS04」と呼ばれるものです。これは、沈降性と油性の両方を兼ね備えた「AS03」にさらに改良を加えた最新型のアジュバンドです。その威力は、海外での実験において、自然感染の11倍以上、6年間以上抗体を維持するという驚異的なもので、そのため劇的な効果が期待されています。その反面、長期的な副作用においては、未知数なのです。

【「特に〜最新型のアジュバンドです。」の部分は前述の選挙前.comさんが調べてくれたことにより「沈降性と油性の両方を兼ね備えた」という部分は嘘だということが分かります。後半はサーバリックスの説明書にも書かれていますが、アジュバントを添加することによってそんなに長持ちがするんだ。凄いな。というのが私の感想です。】

ワクチン自体への疑問

人間の体が、病原菌から自らを守る免疫力。その80%は粘液や唾液中にあります。 これは当然と言えば、当然の仕組みです。ほとんどすべての病原菌は外部からやってきます。 病原菌が最初に侵入してくるのは、目や鼻や口、性器などの粘膜からです。

病原菌などの毒が、いきなり血液中に入り込むことは、不自然なことであり、蛇などに噛まれたり、深い傷を負ったりするときなど、まれにしか起きない緊急事態です。ワクチンのように体内に直接異物を注入する行為に対して、人体は、その血液中に抗体を作り出します。

製薬会社は、この反応を測定して、「ワクチンには効果がある。抗体が増えたから、病原菌への抵抗力が上がっている」と結論付けて、ワクチンの効果を科学的なものとしています。 しかし、血液中の抗体がいくら増えたとはいえ、ほとんどすべての病原菌は粘膜を介して人体に侵入してきますから、粘液中の免疫が活性化されなければ、抵抗力は増したことになりません。 この観点からみると、どのようなワクチンも論理的におかしなものであると言えないでしょうか。

【これに関しては、以前のブログの記事に「侵入経路の如何にかかわらず、病原体が体内に侵入してから抗体は働くという免疫の基礎」というコメントをしてくださった医療関係者の方がいました。ようするに粘膜からだろが皮膚からだろうが直接血管からだろうがどこから体内に病原体がはいっても免疫は働くということです。よってこの部分は話にならないというのが結論です。】

もちろん、ある特定のワクチンは、特定の疾病に対して、何らかの予防効果があるかも知れません。しかし、それですらワクチン中の水銀・アルミニウム・スクアレンなどの有害物質の影響を受けることに変わりはなく、薬物である以上100%安全はありえません。

【ワクチンに関して過小評価をしているようです。BCG、ポリオワクチン、天然痘ワクチン、麻疹ワクチン、風疹ワクチン、おたふくワクチン、黄熱ワクチン、狂犬病ワクチン、コレラワクチン、日本脳炎ワクチン、百日咳ワクチンなど様々なワクチンがあり、実際に多数の人が助かっています。有害物質に関しては上記に述べたようにワクチン接種に伴う有害物質の摂取量は問題にならない程度です。「薬物である以上100%安全はありえません」に関しては、薬物に限らずこの世の中に100%安全なものはないですよと助言してあげたいです。人間は知恵がありそれを駆使し、この世に存在するものを慎重に扱うことによって限りなく安全に近い状態で使い続けているだけです。全てのものは使い方により凶器になります。】

子宮頸がんワクチンによる死亡例

2009年8月19日の米・ニューヨークタイムズの記事には、メルク社の「ガーダシル」接種後の 死亡報告が20件以上あることを伝えています。

http://www.nytimes.com/2009/08/19/health/research/19vaccine.html?_r=1

また同年10月1日の英・ガーディアン紙の記事には、子宮頸がんワクチン接種後、七日以内の 死亡が、アメリカで32件報告されていると伝えています。

http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2009/oct/01/natalie-morton-cervical-cancer-jab

ヨーロッパでも、2007年には、オーストリアで19歳の女性、続くドイツで18歳の女性が、米・メルク社の「ガーダシル」接種後に死亡しています。

http://mediasabor.jp/2008/02/gardasil.html

2009年には、イギリスでグラクソ・スミスクライン社の「サーバリックス」の接種直後に14歳の少女が死亡しています。

http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2647877/4692574

これらの死亡例は、製薬会社の調査やニュース報道では、いずれもワクチンと無関係であるとしていますが、接種後に起きたことでした。

【この部分の結論はすでにでています。文章中に「いずれもワクチンと無関係であるとしています」とあります。さらに、4つの死亡例のうち上の3つはガーダシルに関するものであり、サーバリックスに関するものは最後に1つだけです。それではサーバリックスに関するリンク先をみてみましょう。

確かにリンク先の記事中に「学校でグラクソ・スミスクラインが製造するワクチン「サーバリックス(Cervarix)」を接種した直後に死亡した。」という記述があります。その後の記述もみてみましょう。「その後、検査の結果、少女は「重大な基礎疾患」を抱えており、ワクチン接種が少女の死を引き起こしたと可能性は「非常に低い」との見方が示された。」とあり、サーバリックスが原因で死亡したのではないことが分かります。さらに、「保健省は、これまでに全国で140万人以上にワクチン接種が行われ、強い安全性が示されてきたと強調、今後も予定通りワクチン接種プログラムを進める方針を示した。」とあり、イギリス保健省では今まで通りにワクチン接種を進めるとしてます。また、THINKERの記事中に全女性の約80%が高リスクHPVに感染しそのうち0.1〜0.15%が癌化するという記述があったのを覚えているでしょうか?それを計算してみると、全女性の0.08〜0.12%が子宮頸がんになる可能性があるということです。これは1万人中8〜12人(140万人中1120〜1680人)です。イギリスでのこの件をサーバリックスが原因で死亡したとしても140万人中1人です。確かに、「140万人中1120〜1680人」は全女性が母集団「140万人中1人」はサーバリックスを接種した全女性が母集団であり、この様に簡単に確率化するわけにはいかない事は分かっていますが、死亡のリスクがあるとしてもサーバリックスを接種する意味は十分あると思います。

また、ガーダシルについては別の機会で述べたいと思います。】

「サーバリックス」の添付文書には、こう明記されています。 「医師は、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること」

接種した医師たちは、彼女たちに生命を失う危険性があることを十分に説明していたのでしょうか、疑問の残るところです。

サーバリックスの説明書に次のような副反応に関する記載があります。

  1. 重大な副反応
    ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明 注1)):ショック、アナフィラキシー様症状を含むアレルギー反応、血管浮腫があらわれることがあるので、接種後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

  2. その他の副反応

     10%以上1〜10%未満0.1〜1%未満頻度不明 注1)
    過敏症痒痛発疹、蕁麻疹  
    局所症状
    注射部位
    疼痛、発赤、腫脹硬結知覚異常 
    消化器胃腸症状(悪心、嘔吐、下痢、腹痛等)   
    筋骨格筋痛、関節痛   
    精神神経系頭痛めまい 失神・血管迷走神経反応 注2)注3)
    その他疲労発熱(38℃以上を含む)、上気道感染 リンパ節症

注1)自発報告又は海外のみで認められている副反応については頻度不明とした。

注2)血管迷走神経反応としてふらふら感、冷や汗、血圧低下又は悪寒等の症状が発現する。

注3)失神・血管迷走神経反応は強直間代性運動を伴うことがある。

この中には「死亡」又はそれに類する単語は出て来ません。それは当たり前のことです。サーバリックスが原因であるとする死亡例は未だに1つとしてないからです。よって、サーバリックスを接種時に「生命を失う危険性があること」を説明することは無意味なことであり、逆に恐怖感を煽りさらに多くの失神者を出すだけでしょう。

また、「失神」「血管迷走神経反応」という単語がでてきます。特に「血管迷走神経反応」とは何でしょう?第39回 血管迷走神経反射 (Vasovagal Reflex)には次のように書かれています。

血管迷走神経反射というのは、自律神経系の突然の失調のために、血圧や心拍数が下がり、脳に行く血液循環量を確保できないために、失神や目まいなどの症状が起こる病気です。

血管迷走神経反射は、長時間の立位、温暖下での激しい運動、恐怖感や情緒的不安定、激しい痛みなどによって誘発されます。極端な場合は失神(意識喪失)が起こりますが、失神の前兆としては、ふらふら感、虚弱感、発汗、視野のぼけ、頭痛、吐き気、熱感や寒気などがあります。また、顔色が悪くなったり、あくび、瞳孔の拡大、おちつきがなくなることもあります。

血管迷走神経反射の原因として「恐怖感や情緒的不安定」「激しい痛み」というのが挙げられています。特にサーバリックスを初めて接種する女性のほとんどが10歳代の思春期の女性です。若い女性が大人が「サーバリックスで不妊になる」「サーバリックスで死者が出ている」「サーバリックスで失神する人が多数いる」などと言っているのを聞けば、接種時に恐怖を感じたり情緒不安定になるのは当たり前のことです。さらに、サーバリックスは筋肉注射で痛みがあり、薬剤的にも痛みを感じやすいようです。その様な条件が重なれば失神者がでてもおかしくありません。注射が痛いのは当たり前です。日本において多くの失神者がでているのはサーバリックスが原因ではないのです。「無責任な大人の【不妊】【死】【失神】などという不用意な言動」によって失神者がでていることに気をつけなければいけません。】

「新型インフルエンザ・パニック」の次は「子宮頸がんパニック」?

思い返してみれば、2009年の新型インフルエンザ発生とワクチン・パニックは、とても奇妙な事件でした。

「新型インフルエンザ」には、致死性があり、重症化する恐れがあると騒がれ、その症状が毎年の季節性インフルエンザより軽いものであることが、判明していながらも、執拗に「新型インフルエンザの危険性」の報道が日々、繰り返されました。そして、「ワクチンが足りない」「日本は、ワクチン後進国だ」「緊急に輸入しなければ」と国家予算1400億円が投入されました。その結果、パニックした人達は、病院に駆け込み、安全性が十分確認されていないワクチンの接種を受け、100名を超える方が亡くなりました。そのほとんどがワクチンの接種と無関係であるとして処理されています。

そして、2010年に入って、英・グラクソ・スミスクライン社とスイスのノバルティス社から9900万人分のワクチンが輸入された時には、新型インフルエンザの流行は全くその影をひそめ、一本も使用されないままに廃棄されるのではないかとまで言われています。

この無責任に引き起こされたパニックの責任の所在が、製薬会社にあるのか、マスコミや政府にあるのか、明確にすることなく、次は子宮頸がんワクチンを打てと、同じ製薬会社から再びワクチンを輸入して、接種を呼びかけているのです。

【国・政府には国民の生命・財産を守る義務があります。インフルエンザが流行するかどうかは未知数であり、それで死者が出るかどうかも未知数です。しかし「今回のインフルエンザが危険だ」などの情報があれば、実際に死者が多数出るようなインフルエンザかどうかはともかく、できる範囲でインフルエンザが蔓延しない努力をするのは当然です。これは危険が及ぶ可能性があればそれを除去しているだけです。簡単な例を出せば、壁に囲まれている敷地内から車道に飛び出すこと自体は、即車に轢かれることになるとは限りません。しかしあえて危険を犯す行為をする人はいないでしょう。つまり国が行ったことは国民を守る為に当然の行為です。逆にいえばあれだけ大騒ぎをしたからほとんど影響が出ないうちに収束したのかもしれません。

しかもパニックを煽っているのは国ではありません。この様な「嘘や不必要な誇張を含んだ」文章やデマを広める国民がパニックの原因を作りあげ、さらに自らパニックを起こしているのです。】

医療詐欺の可能性

必要のない薬を売りつけたり、危険なウイルスの混入した薬剤を意図的に販売したり、それを人体実験ために治療に用いたり、または病気そのものを人工的に創り上げてから、その治療薬を売るという、本来の医療目的から逸脱した行為は、「医療詐欺」と呼ばれます。

過去において、製薬・医療業界の手による「医療詐欺」によって数多くの犠牲者が、出てきました。

1980年代には、血友病の患者にエイズウイルスの混入した薬剤を投与して、多数のHIV感染者およびエイズ患者を生み出した事件が起きました。 同事件により、国内では630名以上、世界では4000人から5000人の犠牲者が出たといわれています。この事件は、アメリカの「バイエル」「バクスター」などの製薬会社が、エイズウイルスの混入した薬剤を意図的に輸出したことが明らかになっています。

アメリカ国内での販売が禁止された同薬剤を利益のために海外に販売していたのです。 これは、世界中の人々が知っている代表的な「医療詐欺」事件です。 全米のテレビニュースでも大々的に放送されました。

また2008年には、アメリカの製薬会社「バクスター」が、インフルエンザワクチンに強毒性の鳥インフルエンザウイルスを混入させた上、18カ国に輸出・販売していた事件も明るみに出ました。

その後、みなさんの記憶にもまだ新しい2009年の新型インフルエンザ騒動は、日本人を含む科学者と製薬会社と軍の生物研究所の共同プログラムによる人工ウイルスの製造と散布、またそれに続くワクチン接種を組み合わせた世界規模のバイオテロであることが明るみに出ました。(詳しくは、当サイト内の「新型インフルエンザワクチンは打ってはいけない・後半」参照)

過去にこうした数々の国際的な巨大医療詐欺を起こした製薬会社は、何もなかったかのように、現在も企業活動をしています。

【確かにここに挙げられている事件は大変問題のある事件です。しかし証拠もなしにサーバリックスを医療詐欺に絡めるのは感心出来ません。もし医療詐欺というのであればその証拠を明示する必要があるでしょう。THINKERに出てくる証拠らしきものは全て科学的・医学的・常識的に証拠というに及ばないことはここまで読んだ方達には明らかなことでしょう。】

今後のワクチン・ビジネスの動向

今後、ワクチンは、わずか4年の間に2倍の爆発的な成長を遂げると予測されています。 つまり、4年以内に世界中で今の倍の量のワクチンが市場に流通する準備が製薬業界で進行中なのです。それは、およそ世界で約4兆円の売り上げになります。 これらの情報は、投資家のための市場予測会社の資料に書いてあるもので、専門家の間では30万円から数十万円で取引されています。

http://www.gii.co.jp/report/kl90386-vaccines-2009.html(※ httpの最初のhが抜けていたので補完しています。2chから引用したのかな?)

今後も新しい病気の予防ワクチンや聞いたこともない病気を予防するワクチン、また予防する必要のない病気のワクチンが市場に売り出されてくることでしょう。 なかには、大人になってから、タバコやアルコールの中毒にならないようにするためのワクチンまで開発されているという話もあるくらいです。

【前半は特に問題がある記述とは思いません。ワクチンビジネスが儲かると言っているだけです。人々に需要がありそれを供給できる力を持つ企業が儲かるのは普通のことです。後半では今後の様々なワクチンが売り出されるというのもほぼ問題がありませんが「予防する必要のない病気のワクチンが市場に売り出されてくる」というのはワクチンに対する嫌悪感を高める為に無理やり付け加えたのではないでしょうか?ようするに「治す必要もない病気の為の薬」そのようなワクチンは需要がないので誰も作らないでしょう。「なかには、大人になってから、タバコやアルコールの中毒にならないようにするためのワクチンまで開発されているという話もあるくらいです。」これはどういう意味なのでしょう?「タバコやアルコールを受け付けない体にするワクチン?」「タバコやアルコールをいくら接種しても中毒にならないワクチン?」これがワクチンといえるかどうかは疑問ですが前者なら問題ないでしょう。後者なら何を言っているのか分かりません。タバコ・アルコールを摂取し続けること自体は既に中毒であり、それを摂取し続けられるようにするワクチンって何なのでしょう?】

ワクチン強制接種への動き

ワクチンは予防医療であるため、その対象は健常者すべてです。地球の人口全てと言っていいほどの莫大な潜在顧客がいるということです。

そのビジネスは、ワクチンだけにとどまりません。ウイルスや病気の有無の検査から始まります。 そして、検査の結果が良性の場合、ワクチン接種。悪性の場合、治療が推奨されます。なかでもヒトからヒトにうつる感染症のワクチンは、対象者のみならず、潜在的な感染関係者までが、接種対象者に含まれます。そのため、いくつかの国や地域(アメリカ・オーストラリア・韓国など)では、9歳から15歳までの男児に子宮頸がんワクチンの接種が推奨されています。このように、公衆衛生の名のもとにワクチン接種対象者の範囲がますます拡大されつつあるのです。

そして、2007年以降、ギリシャのように国家政策として、子宮頸がんワクチンの義務化を児童に課す国が出てきています。

その他の多くの欧米諸国では、接種を促進させるために公費負担で無料化を推進しています。 そして、アメリカでは、子宮頸がんワクチンの接種の義務化に動き出しており、接種を受けない児童に学校への登校および進級を禁止する法律の施行を多くの州議会が審議中です。中には、そのような法律を実際に施行し始めた州もすでに出てきています。

現在、国内では、子宮頸がんワクチンへの公費助成を表明する自治体が、全国に広がっています。2009年12月、新潟県魚沼市のほか、埼玉県志木市、兵庫県明石市でも、小学6年生から中学3年生の女子を対象に全額補助を行う方針です。名古屋市では、半額補助。また2010年4月から、東京都杉並区では、中学一年生を対象に全額負担(本来は1回1万5千円、3回接種が必要、計4万5千円)を開始するとのことです。

国内で議論されている接種の公費負担や無料化について、それが製薬会社による政策と世論誘導によって導かれたものでないか、慎重に見極める必要があります。

【海外において子宮頸がんワクチン接種の義務化が進められているということですが、これは子宮頸がんによる不妊や死亡などがそれらの国で問題になり、子宮頸がんワクチンの今までの安全性と成果が認められ義務化に踏み切ったと考えるのが常識でしょう。日本においてサーバリックスの接種は義務化されていません。あくまで希望者のみ助成が受けられるようにしようという動きしかありません。また、サーバリックス接種の公費負担・無料化が製薬会社による政策と世論誘導によって導かれたものであったとしても、海外での実績・安全性を鑑みれば問題ないでしょう。元々世論誘導などの証拠も何もないです。】

まとめ

  1. 子宮頸がんの原因とされる「ヒトパピローマウイルス(HPV)」は、ごくありふれたウイルスである。
  2. ワクチンは、すべてのHPV感染を予防するものではない。効果は限定的である。
  3. HPVに既に感染していたら、ワクチン接種は、がん発症の危険性を増す可能性がある。
  4. 発がん性のHPVに感染しても90%は、自然に消えてしまう。
  5. 子宮頸がんの原因が、HPVでない可能性もある。-2003年のFDAの書類より
  6. 子宮頸がんキャンペーン自体が、世界的な「医療詐欺」である可能性がある。
  7. ワクチン中の成分「アジュバンド」が、人体に与える長期的な影響は不明である

【「1.子宮頸がんの原因とされる「ヒトパピローマウイルス(HPV)」は、ごくありふれたウイルスである。」について、その通りです。ごくありふれたウィルスであるために癌化の可能性が高い高リスクHPVの陽性率は10代後半で42%、20代前半では40%にも及びます。

「2.ワクチンは、すべてのHPV感染を予防するものではない。効果は限定的である。」について、その通りです。サーバリックスは2種類の型に対応する2価のワクチンといわれHPV16/18型に対応しています。日本においてHPV16/18の割合は60%(67%や70%という説もある)であり、それに類似するHPV31/33/45型の予防効果も確認されており、全てのタイプの発がん性HPVに対する予防効果は、約70~80%になることが期待されています。これを限定的という言い方をするには割合が多すぎるような気がします。「サーバリックスは、全てのHPV感染を予防するものではないが、全てのタイプの発がん性HPVに対して7割から8割の予防効果がある。」というのが本来の書き方でしょう。

「3.HPVに既に感染していたら、ワクチン接種は、がん発症の危険性を増す可能性がある。」について、「アジュバンドの危険性」でがん発症の危険性を述べているようですが、これまで読み進めて来た人ならわかると思いますがこの説も否定されています。

「4.発がん性のHPVに感染しても90%は、自然に消えてしまう。」について、その通りです。ただし残り10%の女性が高リスクHPVに持続感染したままになり、感染者の中の1%以下が子宮頸がんに進行します。注意して欲しいのは持続感染した中の1%以下ではなく高リスクHPVに感染した人の1%以下だということです。

「5.子宮頸がんの原因が、HPVでない可能性もある。-2003年のFDAの書類より」について、これは嘘です。FDAは「HPVに感染した女性の多くはウイルスを全滅することが可能であり、長期的に健康に対して明白な影響を受けることはない。 しかし、一部の女性は持続的な感染に発展し、それは最終的に子宮頚部の前がん状態につながる。」とはっきりHPVと子宮頸がんの関係を主張しています。詳しくは選挙前.comさんの「子宮頚がん予防ワクチンの危険性」提言に対する調査結果にある「◎FDAがHPVは子宮頸がんの原因で無いと指摘した件について」をみて下さい。

「6.子宮頸がんキャンペーン自体が、世界的な「医療詐欺」である可能性がある。」について、これはTHINKERにおける妄想の類です。医療詐欺というのであればその証拠を明示する必要があるでしょう。

「7.ワクチン中の成分「アジュバンド」が、人体に与える長期的な影響は不明である」について、これは事実です。それはアジュバントがこの世に登場してから50年・100年という期間が経っていないからです。しかし前に述べてあるように一般的に多量に摂取すると有害といわれる物質もごく僅かですし、アジュバント単体で不妊になるようなことはありません。】

子宮頸がんワクチンの何が問題か、簡潔に言うならば、 「基本的な情報が国民に与えらないまま、一方的に接種が呼びかけられている」ということにつきます。これまで述べきた情報、リスクをすべて知ったあと、ワクチン接種を受けたいと思う人がどれほどいるでしょうか。おそらく多くの人が躊躇するのではないでしょうか。

【「これまで述べきた情報、リスクをすべて知ったあと」とありますが、それは嘘・デマであることはここまで読んだ方ならわかるでしょう。】

それでもワクチンの接種を選択する人は、おられるかと思います。 ワクチンを打ったら、安心できる、という考え方もあります。 どうせ副反応がでるのはごく一部の人だけだ、という考え方もあります。 重い副反応なんて、自分には起きないだろうと思われる方がほとんどかもしれません。

止める権利は誰にもありません。 あなたの体であり、あなたの命です。

けれど、これまでにワクチンをはじめとする、様々な薬害により、重症となった方、命を落とした 方が存在するという厳然たる事実が消えることはありません。

【薬・ワクチンなどによる副反応は誰にでも起こり得るというのは確かです。しかしそれらの被害が薬・ワクチンの治療・予防効果を上回ることはありません。それどころかかなり低い確率です。それでなければ国が認証するはずがありません。】

ワクチンに対する認識があまりにも安易な社会になりつつあります。 「ワクチン」という言葉でごまかされてはいけません。製薬会社の添付文書にもあるように「劇薬」です。

【世の中に劇薬表示されている薬はたくさんあります。それは劇薬表示されていない薬と比べて死に至る量が少ないというだけのことです。もちろん処方される時は致死量よりはるかに少ない量が処方されます。劇薬と表示されていなくても大量に処方されれば死に至ります。これは「劇薬」という言葉で不安を煽っているだけです。】

以上の情報を、これまで慣れ親しんできた常識に基づいて処理するのではなく、冷静な理性のもとに吟味することが、各人にとって良い選択につながるものと考えます。

【本当ですね。冷静な理性の元に吟味し嘘・デマを排除して行く必要があるでしょう。】

最後に、「サーバリックス」添付文書3頁目の左中段にある文章を載せておきます。

ワクチンによる抗体価の上昇が、病気の予防に結びつくかは、不明である

【正確には次のように書いてあります。「抗体価と長期間にわたる感染の予防効果及び子宮頸癌とその前駆病変の予防効果との相関性については現時点では明確でない。」この文章を簡単にすると「抗体価と予防効果との相関性については現時点では明確ではない。」となりますがこれはどの様な意味でしょう?これは「抗体価が32倍の時は予防効果が80%、抗体価が16倍の時は60%などという相関性は現時点でははっきりしない。」ということであって、「抗体価の上昇が、病気の予防効果結びつくかは、不明である」とは言っていません。人間の体内で抗体が増えれば病気にかかりにくくなるのは当たり前です。

これまでの結果からTHINKERの子宮頸がん予防ワクチンに関する記事は、正しい記述もあるが間違いが非常に多く、読んだ人のミスリードを誘い、不必要に不安を煽りデマを拡散させる為の記事であると結論づけます。

サーバリックスは臨床試験をしていないといわれているけど?

祈祷などで病気を治す風習のある国ならいざ知らず、常識として臨床試験をしてない薬・ワクチンなどは一般的な医療で使用される事はありません。そしてもちろんサーバリックスも臨床試験を行っています。その証拠としてサーバリックスの説明書を見てみましょう。すると2ページ目の右中段から国内及び海外の臨床成績に関しての詳細な記述があります。従って、サーバリックスは臨床試験を行っていないというのは嘘です。

サーバリックスで失神する人がたくさんいるけど?

日本においてサーバリックスの接種時に多くの失神者が出ているようです。それではサーバリックスの説明書には失神に関する事が書いてあるか見てみましょう。まず、1ページ目の右下段の「2.重要な基本的注意」の(4)に「ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後30分前後は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。」2ページ目の左中段の「(2)その他の副反応」の表の「精神神経系」かつ「頻度不明」に「失神・血管迷走神経反応」がある。

難解な言葉も出て来ているので先ずはその言葉を調べてみましょう。「血管迷走神経反射」とは何か?第39回 血管迷走神経反射 (Vasovagal Reflex)には次のように書いてあります。

血管迷走神経反射というのは、自律神経系の突然の失調のために、血圧や心拍数が下がり、脳に行く血液循環量を確保できないために、失神や目まいなどの症状が起こる病気です。

血管迷走神経反射は、長時間の立位、温暖下での激しい運動、恐怖感や情緒的不安定、激しい痛みなどによって誘発されます。極端な場合は失神(意識喪失)が起こりますが、失神の前兆としては、ふらふら感、虚弱感、発汗、視野のぼけ、頭痛、吐き気、熱感や寒気などがあります。また、顔色が悪くなったり、あくび、瞳孔の拡大、おちつきがなくなることもあります。

簡単にいえば失神やめまいの事で、その原因は長時間の立位、温暖下での激しい運動、恐怖感や情緒的不安定、激しい痛みという事です。

そこでサーバリックスを初めて接種する人はどの様な人かを考えてみましょう。高リスクHPV(癌化する可能性高い子宮頸がんウィルス)の陽性率は10代後半で42%、20代前半で40%その後は減少傾向にあります。ウィルスに感染してからワクチンを接種しても手遅れであることはわかると思います。すると接種対象年齢は10代前半となります。また、HPVは性交渉により移ることがほとんどなので性交渉のないまたはほとんどない10代前半というのは合理的だと思います。そしてサーバリックスの説明書の1ページ目右上段に「用法・用量」とありそこには「10歳以上の女性に、通常、1回0.5mlを0、1、6ヶ月後に3回、上腕の三角筋部に筋肉内接種する。」とあり、やはりサーバリックスを初めて接種する人は10歳前半の女性ということになるでしょう。

10歳前半の思春期の女性が、大人が「サーバリックスで不妊になる」「サーバリックスで死者が出ている」「サーバリックスで失神する」などと言っているのを聞けば、接種時に恐怖を感じたり情緒不安定になるのは当たり前のことです。また、サーバリックスは筋肉注射であり痛みを伴います。さらに成分的に痛みを感じやすいようです。そうすると血管迷走神経反射を起こす条件の「恐怖」「情緒不安定」「激しい痛み」などが揃ってしまいます。この様な条件が重なれば失神者がでてもおかしくありません。

それでは、どうすれば失神者を減少させることができるか考えてみましょう。まずサーバリックスは筋肉注射なので痛みは避けられません。成分もどうしようもありません。すると「恐怖感」「情緒不安定」という条件がなければ失神者を減少させることができるはずです。もうお分かりだと思いますが、日本において多くの失神者がでているのはサーバリックスが原因ではないのです。「無責任な大人の【不妊】【死】【失神】などという不用意な言動」によって失神者がでているのです。我々にできる事は嘘やデマにのせられずに少女達に正しい情報を与えることです。

また、サーバリックスの説明書の2ページ目の左中段の「国内及び海外臨床試験における副反応」に注目して下さい。そこには失神や血管迷走神経反射などという言葉は全く出ていません。これはどういう事でしょう?確かにサーバリックスを接種する時は痛みは伴うでしょう。しかし臨床試験の段階で失神することはなかったのです。これはサーバリックスが一般の人が接種し始め、「不妊」「死」などのデマが広まりそれによって心因的な失神を起こすという事の強力な裏付けになると思います。

インドで子宮頸癌ワクチンによって大量に死者がでたって聞いたけど?

インドにおいてガーダシル(4価の子宮頸がん予防ワクチン)の治験中に治験者120名中4名が死亡したという情報を耳にしたことがあります。これが本当なら接種者の実に1/30の人が亡くなっている事になり非常に危険なワクチンであると言えます。この情報の元はCancer vaccine programme suspended after 4 girls dieでしょう。しかし、この情報は誤訳が元となって広まったようです。実際の内容は「32000名の被験者が予定されていた治験において、120名に有害事象が現れそのうち4名が死亡した。」というものです。

「有害事象」という言葉が出て来ましたがこれはどの様なものなのでしょうか?ワクチン接種に伴う有害事象というと「ワクチン接種後の全ての悪い症状・現象」のことをいいます。もっと分かりやすくいうと「ワクチン接種に伴う有害事象」=「ワクチンが原因による悪い症状・現象」+「ワクチンとは全く関係ない悪い症状・現象」のことです。すなわちワクチン接種後に自殺したり交通事故にあって障害が出ても「ワクチン接種に伴う有害事象」に含まれてしまいます。では今回のインドにおける治験の死亡はワクチンが原因による死亡だったのでしょうか?この情報だけでは分からないですよね。しかし、その後の追跡調査の結果があるようです。Death of six children not due to HPV. The Hindu, April 17, 2010これによると、24705名の被験者のうち6名が死亡し、その死因はウィルス熱、溺死、自殺、マラリアに伴う貧血、蛇毒であり、ワクチン接種とは関係なかったと結論してます。

従って、インドにおける子宮頸がん予防ワクチンの治験における死亡者はワクチンには全く関係のない死亡原因であり、子宮頸がん予防ワクチンが原因で死亡したということに関しては間違った情報だと結論します。

サーバリックスの副反応がひどいって聞いたけど?

先ずは、サーバリックスの添付書類の副反応についてみてみましょう。それは下記の表のようになっています。

 10%以上1〜10%未満0.1〜1%未満頻度不明 注1)
過敏症痒痛発疹、蕁麻疹  
局所症状
注射部位
疼痛、発赤、腫脹硬結知覚異常 
消化器胃腸症状(悪心、嘔吐、下痢、腹痛等)   
筋骨格筋痛、関節痛   
精神神経系頭痛めまい 失神・血管迷走神経反応 注2)注3)
その他疲労発熱(38℃以上を含む)、上気道感染 リンパ節症

注1)自発報告又は海外のみで認められている副反応については頻度不明とした。

注2)血管迷走神経反応としてふらふら感、冷や汗、血圧低下又は悪寒等の症状が発現する。

注3)失神・血管迷走神経反応は強直間代性運動を伴うことがある。

これらを見て、他のワクチン・予防接種と比較しても特別問題がある副作用があるとは思えません。それでは他のワクチン・予防接種の副反応について見てみましょう。 厚生労働省のサイトの予防接種後副反応報告書集計報告の最下部に集計累計があります。これを見てみると他の予防接種ではサーバリックスでは報告されていなかった死亡報告などもあります。しかし、この報告書にある予防接種が危険だからといってやめさせようという運動は聞いた事がありません。

各種予防接種・薬はその病気に対する予防効果・薬効と副反応のどちらも受け入れなければなりません。また、その予防効果・薬効も100%ではありません。「予防効果・薬効が100%でなければいけない」「副反応がでる可能性があるのは許せない」というのであれば、「予防できる可能性がある病気を受け入れる」「治せる可能性がある病気を受け入れる」というリスクを負った上で各種予防接種・薬を拒否すればいいだけの話です。もちろんこれらのリスクの中には「死」というものも含まれるかもしれません。私はこれらの信念に基づいて行動している人を非難するつもりはありませんし、逆に予防接種・薬を疑いなく受け入れなさいとも言いません。それは病気を予防したい・病気を治したいという各個人が医師などと相談して判断を下すものでしょう。いずれにしてもリスクが伴う事は忘れてはいけません。しかし、副反応のリスクと予防・治療を受けないリスクを比較した場合、副反応のリスクの方が非常に低くなければ各種予防接種・薬の認可がおりないのも事実です。

また、「100%効かないのであれば許せない」という人に対して反感を買うことを覚悟で非常に冷たい書き方をすると「例えば、予防接種・薬で助かる人が5000人、副反応で亡くなる人が1人ならば、大変申し訳ないが亡くなる1人の人には公共の利益の為に犠牲になってもらう」ということです。この考えは私個人の考えであり、医療従事者が言っていたわけではありません。もちろん医療に従事している皆さんは少しでも多くの人の病気を予防したい、治したいと思っています。しかし、残念ながら100%の予防も治療もありません。100%でない以上限りなく100%に近づける為に医療に従事している方達は日々努力をしているのです。そして助かる可能性の方が高いと判断した時に予防接種・薬を患者さんに勧めるのです。

サーバリックスの効果とは?

サーバリックスの成分

先ずはサーバリックスに含まれる成分についてみていきます。サーバリックスの添付文書の1ページ目左中段にサーバリックスの組成が載っています。その表は次のようなものです。

本剤は、0.5mL中に下記の成分・分量を含有する。

           
成分分量
有効成分ヒトパピローマウイルス16型L1たんぱく質ウイルス様粒子20μg
ヒトパピローマウイルス18型L1たんぱく質ウイルス様粒子20μg
添加物3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドA50μg
水酸化アルミニウム懸濁液(アルミニウムとして)500μg
塩化ナトリウム(等張化剤)、リン酸ニ水素ナトリウム(緩衝剤)、pH調節剤

ヒトパピローマウイルス16/18型L1たんぱく質ウイルス様粒子

先ず、ウイルス様粒子とは「細胞内に観察される、ウイルスに類似した構造を持つ構造体。」です。これはウイルスそのものではなく、体内でこの粒子をウイルスと間違わせて攻撃させ抗体を作らせるための粒子です。簡単にいうと抗体を作る体内物質に対する疑似餌・ルアーみたいなものです。よってこのウイルス様粒子によって子宮頸がんウイルスにかかることはありません。

これらヒトパピローマウイルス16型L1たんぱく質ウイルス様粒子・ヒトパピローマウイルス18型L1たんぱく質ウイルス様粒子の2成分がサーバリックスがHPV16/18に対する子宮頸がん予防ワクチンたる成分です。これらの。ウイルス様粒子を体内に入れることによって子宮頸がんウイルスにかかることなく、抗体を作らせてHPV16/18による感染に対する抵抗力をつけさせます。

3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドA

NIID(国立感染症研究所)の2006年2月のマンスリレポート「3.学会公演等」の細胞化学部には次のように書いてあります。

平成17年12月10日、桶本和男

第28回日本分子生物学会(福岡) 「A potent adjuvant monophosphoryl lipid A triggers various immune responses, but not secretion of IL-1beta or activation of caspase-1」 (アジュバント活性として様々な免疫応答を誘導するmonophsphoryl lipid A は、 IL-1betaの産生やcaspase-1の活性化を引き起こさない)

<Monophosphoryl lipid A(MPL)はリポ多糖の部分分解産物である。 MPLはリポ多糖と同様にアジュバント活性を有するが、リポ多糖と異なり毒性が非常に低い。 リポ多糖の毒性と炎症反応とは密接な関係があり。MPLがinflammasomeと呼ばれる炎症反応に 必要な蛋白質複合体形成をマクロファージで誘導しない事がその低毒性の原因と思われる。>

また、リポ多糖 - Wikipediaの整理作用をみると次のように書いてあります。

LPSは上記に述べたシグナル伝達経路を介して種々の炎症性サイトカインの分泌を促進する作用を持つ。サイトカインの産生は細菌を除去するための生体防御反応として行われるが過剰になった場合に毒性が発現し、ショック状態に陥る(エンドトキシンショック)。また、LPSは抗原提示細胞である樹状細胞やマクロファージを活性化し、未分化なT細胞(ナイーブT細胞)を1型ヘルパーT細胞(Th1細胞)へと分化誘導する働きを持つ。このような作用を持つことからLPSは生物系の基礎研究においてin vivo及びin vitroの両方の系で炎症性刺激として多用されている。他にもLPSは発熱、多臓器不全、頻脈等の作用を有している。

すなわち3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドAとは、リポ多糖と同様にアジュバントを活性化させる作用はあるが、その毒性は非常に低いということです。そしてサーバリックスではアジュバント(水酸化アルミニウム懸濁液)を活性化させる作用があります。また、アジュバントを活性化させる「3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドA」とアジュバント本体の「水酸化アルミニウム懸濁液」2つをまとめてアジュバントということもあるようです。

水酸化アルミニウム懸濁液

この水酸化アルミニウムがアジュバントが危険だと言っている人が最も危険視している成分です。では水酸化アルミニウムを調べてみます。水酸化アルミニウム  Wikipediaには次のように書いてあります。

水酸化アルミニウム(すいさんかアルミニウム、Aluminium hydroxide)は化学式 Al(OH)3 で表される無機化合物である。比重は約2.42。酸やアルカリに溶け、水、アルコールに不溶。アルミニウム塩の水溶液にアンモニアを加えると白色ゲル状沈殿を起こすが、これが水酸化アルミニウムである。主に医薬品や吸着剤などに使用される。また、緑色顔料・ピーコックの原料でもある。 熱すると酸化アルミニウムになるが、その際に水が発生するため、水酸化アルミニウムを添加した紙は燃えない(炎を出さない)。この「不燃紙」は防火性の高い建築材料(壁紙)として使用されている。

これによると、水酸化アルミニウムは医薬品や顔料または壁紙として広く使われているようです。また、薬にもあるんです。うなぎと梅干しの「水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム」には次のように書いてあります。

制酸剤。胃のもたれ、潰瘍の原因となる胃酸を中和して胃壁への刺激や攻撃を弱めたり、粘膜を保護する作用もあります。 胃・十二指腸潰瘍、胃炎、胃酸過多、消化不良性慢性下痢などの治療に使用されます。

ようするに胃薬です。食べ?合わせとしては「ステーキ」「大量の牛乳」「他の医薬品」との相性が悪いようです。 市販されている代表的な胃腸薬で水酸化アルミニウムが含まれているものは「キャベジンコーワ細粒   」があります。添付書類には3包分(1日分)に水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物として1370.0mgとあります。むむっ・・・申し訳ありませんが単純に6等分します。1回分は約230mgです。 また、制酸薬 - Wikipediaを調べてみると次のような記述があります。

大きな副作用の頻度は少ない。胃粘膜保護作用があるために他の薬剤の吸収を妨げることがある。牛乳や、カルシウムを含むサプリメントと併用するとミルクアルカリ症候群を起こし、頭痛や吐き気、食欲不振を起こすことがある。炭酸飲料で飲むと、中和作用が炭酸に対して使われてしまい、胃酸に対する効果が損なわれることがある。腸溶性の薬品は胃の酸性の状況下では吸収されないよう作られているが、制酸薬と合わせて飲んだ場合は胃内がアルカリ性の傾向となるため、腸溶性薬品が腸まで到達しないことがある。アルミニウムの含まれる製剤は、腎機能が悪いと体内にアルミニウムが蓄積しアルミニウム脳症などを起こす危険性がある。

大きな副作用の頻度は少ないが、腎機能が悪い人は水酸化アルミニウムを含む薬剤を使用する場合はお医者さんに相談した方がいいみたいですね。では、アルミニウムをどの程度摂取しても構わないのかを調べてみます。「アルミニウムとアルツハイマー病の関連情報」には次のように書いてあります。

ヒトは、医薬品や食物および飲料水から微量のアルミニウムを摂取しています。飲食物から摂取されたアルミニウムの99%以上はそのまま排泄されますが、およそ0.1%のアルミニウムが体内に吸収され、主に腎臓を通って尿中に排泄されます。しかし、この吸収率は生物種によって1%にまで上昇します。吸入によってはわずかしか吸収されず、基本的に経皮吸収はされません。微粒子の吸入は、嗅覚系を介して脳組織に直接移行します。

なるほど、腎機能が低下している人に注意が必要なのはこのことです。また、今回はサーバリックスに関する話なので「微粒子の吸入」は無関係です。さて、1日の摂取許容量はどの程度でしょうか。同じサイトにこの様に記載されています。

JECFA(FAO/WHO Joint Expert Committee on Food Additives; FAO/WHO 合同食品添加物専門家委員会)による、暫定的週間耐容摂取量 (provisional tolerable weekly intake; PTWI)は、7mg/kg体重/週とされており、体重50kgの人で1日あたり50mgとなります。

体重50kgの人で1日の摂取許容量は50mgのようです。先ほどの表で水酸化アルミニウム懸濁液は500μg含まれていることがわかります。これは純粋なアルミニウムの量ではありませんがサーバリックスにはアルミニウムが500μg含まれていることにします。1mg=1000μgですから1日の許容量は50000μgでサーバリックスに含まれるアルミニウムの100倍です。しかもサーバリックスは0、1、6ヶ月後に接種しその効果が6〜7年間持続することが知られています。その間にサーバリックスによって摂取するアルミニウムの量は1500μgであり、その間の摂取許容量の合計を考えるとほとんど問題のない量です。また、これも純粋なアルミニウムの量ではありませんが、先程例に出した胃腸薬には1回分230mgの水酸化アルミニウムが含まれていることは前述しました。サーバリックスの水酸化アルミニウムの量を問題にするのであればこの胃腸薬は1回分230000μg、実にサーバリックスを1回接種する量の460倍含まれています。しかもそれを3食後に摂るのですからこちらの胃腸薬の方が問題でしょう。しかし、この有名な胃腸薬でアルミニウムによる健康被害が出たということは1度も聞いたことがありません。つまりサーバリックスに含まれる水酸化アルミニウムの量で健康被害が出ることはありません。

まとめ

サーバリックスの主成分及びアジュバントが危険だとする人達が問題視している水酸化アルミニウムについての話をまとめましたが、その他の添加物に関しては省略しました。

先ず、サーバリックスが不妊ワクチンだと公言している人達がいますが、不妊を引き起こす成分は一切含まれていません。確かに避妊ワクチンというワクチンは存在します。避妊ワクチンの仕組みは「精子または卵子を構成する特殊なたんぱく質」を体内に入れ、このたんぱく質を体内防御反応で攻撃させて、抗体を体内に生成させます。しかし、サーバリックスにはその「精子または卵子を構成する特殊なたんぱく質」が全く含まれていないのは添付書類の成分表をみれば明らかです。

サーバリックス不妊論者は『「精子または卵子を構成する特殊なたんぱく質」+「アジュバントその1」で動物の避妊ワクチンを作った。そして「アジュバントその1」を改良して「アジュバントその2」を作った。さらに「アジュバントその2」を改良して「アジュバントその3」を作った。この「アジュバントその3」がサーバリックスに使用されているアジュバントである。よってサーバリックスは不妊ワクチンである。』と結論づけていますが、大変馬鹿げています。「精子または卵子を構成する特殊なたんぱく質」が含まれていないのに何故不妊になるのでしょうか?

予防効果などを考えずに成分だけをみての結論は、サーバリックスとは不妊を引き起こす要素は全く存在せず、子宮頸がんウイルスにかかることなくHPV16/18型のウイルスに対する抵抗力をつけ、添加されているアジュバント(水酸化アルミニウム)の量は健康にとってほとんど問題がないくらい微量であり、そのアジュバントを活性化させる薬剤(3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドA)は毒性のあるリポ多糖を改良しほとんど毒性のないものとしてアジュバントを補助している。極めて優秀なワクチンであるといえます。

サーバリックスのHPVに対する有効性

サーバリックスのHPV16/18型に対する有効性を考える前に、子宮頸がんの発症とHPVの型に関してみてみましょう。サーバリックスの添付書類の2ページ目 右下段に「薬効薬理」が載っています。そこには次のように書かれています。

癌原性HPVは子宮頸癌(扁平上皮細胞癌及び腺癌)の発症に関連しており、HPV-16及びHPV18が最も多い型で、世界的には次いでウイルスの型が近縁のHPV-45及びHPV-31が多い。HPV-16及びHPV-18が子宮頸癌の約70%、HPV-16,18,31及び45を合わせて子宮頸癌の78.5〜80.3%に関連している。

これらは勿論、根拠となる文献・著者などが一緒に記載されています。こうしてみるとサーバリックスが何故HPV16/18型に特化しているのかが伺えます。

それではサーバリックスのHPV16/18型に対する有効性を調べて見ます。サーバリックスの添付書類の2ページ目右中段から臨床成績が載っています。そこには『国内臨床試験』では「(6ヶ月定義の)持続感染に対する有効性」は100%、『海外臨床成績』では「組織病変に対する有効性」はCINグレード2以上で98.1%、CINグレード3以上で100%、「持続感染に対する有効性」は6ヶ月定義で94.3%、12ヶ月定義で91.4%。また、HPV16/18型以外の有効性に関する「癌原性HPVに起因する持続感染及び組織病変に対する有効性」は下記に表として記載します。

     
HPV16に近縁の型
HPV31HPV33HPV35HPV52HPV58
92.0%51.9%83.3%14.3%64.5%
     
HPV18に近縁の型
HPV39HPV45HPV59HPV68
69.8%100%74.9%54.5%
     
その他のHPV型
HPV51HPV56HPV66
62.9%59.9%60.0%

有効性をみてみると、HPV16/18に関しては90%以上の予防効果があり、その近縁の型に対しても型によって開きはあるが高い有効性が確認できます。

サーバリックスに関して、「100種類以上あるHPVの型に対して2種類にしか効かないのにそれを助成するのはおかしい」という意見を聞いたことがあります。しかし、それは近視眼的な考え方であり客観的事実を見逃しています。ある病気に対して薬・ワクチンが有効かどうかというのは、その病気の型の数に対応するものではありません。その病気に対してどの型が多いのかが問題になるのです。その点では、子宮頸がんにおいてHPV16/18/31/45の割合が約80%であり、サーバリックスのそれらの型に対する予防効果が90%以上あるということを考えれば、他の型に対して有効ではないにしてもかなりの確率で子宮頸がんの予防効果があるといえるでしょう。

サーバリックス接種時の注意事項

【桜井裕子】子宮頸癌予防ワクチンの危険性[桜H23/1/7] を観ての私の感想

ある日のサーバリックス危険論者とのツイートで私が「上記のチャンネル桜の動画は悪質なデマに基づいたものだ」という内容のツイートをしたところ、次のようなお返事をもらったので既にいろいろ説明をして重複するところも多々ありますがチャンネル桜の動画に対する私の簡単な考えなどを載せておきます。

あとで読ませて頂きますが私は今件、チャンネル桜に同意見です。桜の動画がデマだというならば、そのデマを指摘し、誤りを正すのが道理です。即答できないと仰りますが、デマと公言しているのですから逡巡せずにお願いします。結果がどうであれ事実の明確化は双方にとって+です。

結論から言うと、サーバリックスのことを医学的・科学的に無知な2人が噂を元に話をし、子宮頸がんの予防→いくら性交渉をしても大丈夫→性の乱れなどと話を持っていき、サーバリックスに対する不信感を増長させている。また、少しの事実のなかに多くの嘘を織り交ぜ、とにかくサーバリックスを悪者に仕立て上げるやり口は左翼や昔の学生運動家を思わせる。

まず最初の渡辺氏が発言した「不妊になる」というのは全くの嘘である。避妊ワクチンというものはあるが、それは「精子・卵子を構成する特殊なたんぱく質」が体内に入った時に防御反応として抗体ができるために避妊を行うことができるのであり、サーバリックスの成分にはこの「特殊なたんぱく質」は含まれていないので不妊になるわけがない。

「未成熟な段階での性行為がウイルスにさらされやすくなる」と言っているが、別に成熟しても未成熟でも性行為を行えばウイルスにさらされやすくなる。

「中1〜高1の約235万人に接種をする」と言っているが「接種希望者に助成する」というのが正しい言い方である。

「サーバリックスは10歳未満の女性に対して有効性が担保できない」と言っているが、それはまさしくその通りであり、サーバリックスは10歳以上の女性が対象であり10歳未満の女性に対しては臨床試験などを行っていないだけである。対象外の年齢に対してサーバリックスを接種することなど想定していないのだから臨床試験も行っていないのは当たり前であり、それ故安全性・有効性も分からないだけである。

「アジュバントが家畜の去勢のために作られた」と言っているが、それは嘘である。「家畜に避妊のためのワクチンにアジュバントが使われたことがある」というだけでアジュバントと不妊の間にはなんの因果関係もない。前述しているが避妊を行うためには「精子・卵子を構成する特殊なたんぱく質」が必要であるがアジュバントにはそのようなたんぱく質は含まれていない。もちろんサーバリックスにも含まれていない。しかも避妊ワクチンに使われたアジュバントとサーバリックスに使われているアジュバントは別物である。

全体的によく出てきた「サーバリックスはHPV-16/18型にしか効かないのだからこれを接種しても仕方がない」という論調は全くの嘘である。HPV16/18型が最も多い型で世界的には約70%、日本では約60%、それに次いでHPV-31/45型である。これにより「世界的にHPV-31/45型が多い」というのも彼らの主張の一つだったが嘘ということがわかる。特に「2種類の型しか効果がない」と言い続けているが、薬・ワクチンが有効かどうかは型の「個数」の問題ではなく型の「割合」である。HPV-16/18型の割合が60%と最も多いわけであるからサーバリックスがこの2種類の型をターゲットとして作られたことは納得のいくことである。また、HPV-16/18以外にもこの2つの型に近縁のHPV-31/52/45には80%以上の有効性が認められている。

子宮頸がんの癌化に関して原因が「複数の相手との性交渉」と言っていたが、これは嘘である。低リスク・高リスク問わずHPVの感染確率が高くなるだけである。

「アジュバント関節炎」「アジュバント病」が出てきたが、「アジュバント関節炎」に関しては、ラットに菌体由来のアジュバントを大量に投与すると人の慢性リウマチの症状に非常に近い症状が出て、慢性リウマチに対する鎮痛作用などを調べるために強引に引き起こすものである。サーバリックスに使用されているアジュバントは水酸化アルミニウムであり菌体由来のものではないし、ましてや関節炎などの症状が出るほど多量に入っているわけではない。「アジュバント病」に関しては、ただの炎症であり筋肉注射の後が少し位腫れたりするのは当たり前のことである。パネルに書いてあった症状は「ヒトアジュバント病」の症状であり、これは美容外科手術などでシリコンなどの異物を体内に入れた後、関節や筋肉の痛み、発熱が出る症状である。

疼痛が99%起こっているといい殊更重大なことのように言っているが、これはただの痛みである。筋肉注射をして痛みを感じるのは当たり前のことであり、それを大げさに言う必要はない。

サーバリックスの添付書類の「免疫原性」の国内臨床において「10〜15歳の女性を対象とした臨床試験において、有効性の評価は実施されていない」というのは、一部分だけ取り出して悪いように見せかける左翼の手口である。正確には添付書類を見てもらうとしてその内容は「サーバリックスを接種した10〜15歳の女性の抗体は20〜25歳の女性の抗体と比べると倍以上の値を示した。なお、何%の確率で予防効果があるかなどという詳しい評価はしていない」ということである。20〜25歳の女性と比べると倍以上の効果があったのに全く効果がないようなひどい説明である。

「性感染症は子宮頸がんだけではない」というのは正しいが、サーバリックスを語る上での重要なことは「予防ができるがんである」ということである。それを他の性感染症と一緒に並べるのが間違っている。

YouTube動画における南出氏の発言

※以下に「アジュバンド(ママ)」という記述がよく出てくるが、本当は「アジュバント」であるが南出氏の発言そのままに「アジュバンド」にしておいたという意味である。これは南出氏がアジュバントのことを間違ってアジュバンドと覚えている事を表している。また、ネット上の記事やツイッターなどで「アジュバンド」なる記述がみられた場合は「アジュバント」の事を調べもせずに、南出氏の発言をそのまま引用しているだけという可能性が濃厚である。さらに、この傾向は南出氏を塾長をする國體護持塾(こくたいごじじゅく)の塾生の記事・発言に多くみられるようだ。

みなさん,こんにちは. 今日は,えー,私×××(聞き取り不可)日本の子供の未来を守る会の顧問として, ×××(聞き取り不可)していただきましたけども, ご挨拶よりも,もっと緊急な問題がございまして, 緊急提言として今からさしていただきたいと思います.

それはですね.まさにこれなんです. サーバリックスというこれあのー, まあイギリスの製薬会社大手製薬会社が作った資料なんですけども, えーこれは子宮頸がんの予防ワクチンとして開発されたものです. ところが,これはとんでもない断子ワクチンでございまして, えーそのことについて今少し説明させていただきたいと思います.

こういう薬の中にいったい何が入っているのか? これはあのアジュバンド(ママ)といいまして, あの,昔,12年ほど前ですけど, いわゆるペットの,ペットの去勢とか或いはその不妊の本来ならば手術をして それをさせるべきところを,ワクチン開発をしたんですね. そのワクチン開発をしたのが,このまさにアジュバンド(ママ)という薬でございまして, えー本来ならば今でもそうですが,えー動物病院なんか行きますと 実際手術をする場合ね,例えば猫レベルで言いますと, 雄の猫をですね,えー手術して,いわゆる去勢手術をする場合, これはほぼ1万から3万位かかります. それで雌猫を去勢ちゅうか避妊手術をする場合は, 2万から5万くらいかかります. ところがそのアジュバンド(ママ)というワクチンを投与すると, 副作用はきついんですけども,5千から8千でできる. 今現在の動物病院もこれを使っている.

そのアジュバンド(ママ)を大型動物にも適用するように開発したのが, 皆さん少し前にあのパニック状態になられたと思いますけども, 新型インフルエンザのワクチンありますよね. あの新型インフルエンザのワクチンは,まさにこのアジュバンド(ママ)が使われてたんです. アジュバンド(ママ)を使って,子供達にどんどんどんどん,えー注射させました. あの新型インフルエンザというのは,そもそも死亡率は普通のインフルエンザよりきわめて低いんです. にもかかわらず,パンデミックと称してですね,色んなことでマスコミで大騒ぎをして, あれを公費まで助成してどんどんどんどん,あの注射させました. これは正に,断子ワクチンです. つまり男の子に打てばもちろん精子はできません. 女の子に打てばこれは少なくとも子供は産めません. そういうワクチンなのに,あえてその危険性を承知の上で, 正に製薬会社と政党と医師会が連動してこれをやろうとしたのが, あの新型インフルエンザワクチンです. 今でもそれは続いています.

さらにですね,そのアジュバンド(ママ)という薬を, さらに完璧な意味での避妊,不妊ワクチンにしたのが, この,これはあのサーバリックスという薬品名ですけども, これは唯一,昨年の10月16日に,えー厚生労働省で認可されているんですけども, この,現在からほぼ2年前からね, これをどんどんどんどんと自治体に,これを公費助成して,あるいは国費助成して, どんどんどんどんこれを,投与しよう. このサーバリックスという薬はですね,ここにどういう風に実際の, 補助おーおー,文書にどう書いてあるか. これ劇薬って書いてある. 劇薬と書いてどう書いてあるかというと下の方にはね, まあ簡単に言えば,このワクチンを投与したからといって, 子宮頸がんが発生しないとは限りませんよって書いてある. つまり,効くか効かないか分からないようなワクチンを, 敢えて,11歳から14歳までの,女の子ほぼ3百万人おります. それに全部投与したらどうなりますか? 日本民族が滅亡するわけですよ. その滅亡するようなこんな危険なワクチンを, 薬の効用も効かない,確実に効くのが何かといったら, 完全永久不妊ということなんです. それを,子供のためにといってお母さん方がこれをするということに, いかに危険かということを,今日緊急提案として,提言として, えーあのー話させていただきたかったということなんですよ.

これ実際のところね,現在の民主党も自民党もそうですが, この子宮頸がんワクチンを推奨するという方向で, まあ政策集つまりマニフェストにも書いております. つまり民主党も自民党もはっきり言いまして, 民族滅亡の手伝いをしてるわけであります. これほとんど知らない人,まあ確信犯で知っている人もいます. 現に民主党の四国の徳島の方の比例区ブロックですけども, 仁木博文ちゅう民主党の議員がいます. これは知ってか知らねか,これが旗振り役です. つまり,確信犯のうちの国賊なんです. この人間だけじゃありません.自民党にもおります. 民主党にももちろんおります. こういう国賊がですね,日本民族の殲滅を考えている. 正に,ヨーロッパでいうところの民族浄化をやろうとしている. これを阻止しなくてね,日本の子供の未来は絶対に守れない. 日本の子供自体が守れない.だから緊急なんです.

例えば,夫婦別姓だとかあるいは外国人参政権とかいうような問題は, まだ,少しの余裕がある. ところが,これは一刻の猶予もない.そういう恐ろしい問題なんです. 実際のところね,こういうものを使って,いったい何をメリットにするかと 実際推進母体は,隠れ共産党です. そういう団体がどんどんどんどんそういうことをしているんです. ですから,明日から選挙ですけれども, 選挙で本当に,この国を本当に本当の意味で守ろうとしている政党がどこにあるのか? もし自民党がそれに気付くのならば,自民党はその政策集マニフェストの中から, 少なくとも子宮頸がんのワクチンの投与の推奨をする部分を全面削除することが, 我々が本来望んでいることなんです. それ以外にも要望はたくさんあります. ありますが,こういう問題を放置して, 全く,例えば外国のそういう風なところから言ってきているから間違いないだろうとういうような形で, そのまま鵜呑みにして,批判的な精神も何もなしに,検証する能力も全くなしに, 単なるこれは偏差値秀才だけがね,官僚に上り政治家になりね, そういうような人たちになるから,日本にはエリートがいないんですよ. つまり,日本の民族をどうあるべきかということを 本当に色んな意味で知恵を持って知識を蓄えて, それを判断するような人たちが一人もいないということなんですよ. これが戦後教育のゆがみでありね,これを我々が我々の団体を通じて, この守る会を通じて,やっていかないとならないというところまで来ております. ですから,これから色んなことの中で選挙の中で,色んな提案がございましょう. 色んなものがあると思います. だけど我が民族が滅びるということを,阻止できないような政党, 何の価値もありません.こんなの. ですからまあ今日ですね,色んな議員さんいらっしゃると思います. この話をもう一度とうに持ち帰って, 特に自民党においては我々はある程度期待しておるんです. ですからね,自民党が目覚めてくれなかったら, 話にならんじゃないですか. 外国の勢力の口車に乗って,こんなワクチンを投与しようとするようなことをね, 現に今回の参議院選挙でもそういうことをやろうとしている人間が沢山おるんですよ. だからそれに目覚めて欲しい.

我々はそういう風なことを,いったい今からなすべきかということを, 考えるべきだと思います. ですから,選挙期間中ですけれども, 現に,今日,同じ日に,仙台では私の盟友のいしばしんご(漢字は不明)がこの問題を提起してくれてます. あっちこっちで,これを志ある人達は,提起してくれますよ. そういう意味でですね,皆さん本当にこれは危険なんですよと, これ各自治体,これ九州の福岡でも,福岡市でも福岡県でも2年前に, この意見書を通しているんですよ,採択しているんですよ. ほとんどの議員さんは知らないと思います. 現に今一番危険なのは,国賊であるところの,この仁木博文という人間がですね, 徳島県の医師会といいますか,保険医協会を通じて国会誓願を出しておる. これは6月の3日に請願書を受理して,少なくとも次の国会にはこれをね, 採択するでしょう.当然マニフェストそのまま自民党が維持するならば, 自民党,民主党と自民党の圧倒的多数によって, これが国費助成によってですね,全ての女の子にこれを打とうとすることになるわけです. こんな恐ろしいことがありますか? ですから,国費を助成するということはどういうことかというと, 危険性がないとして推奨することですから, これは完全な確信犯で共犯です.

まあこの問題提起をした上で,これ全国で問題提起していきます. 我々の団体も含めて問題提起していきますが, この問題提起をした後でも,まだ政党がですね,他の既存の政党が, これをやろうとするのであれば,我々は政党に対してでも, 製薬会社に対してでも,医療機関に対しても, 直接攻撃を辞さない覚悟がなければ,日本の子供が守れないということを, 最後にどうしても,みなさんの,決起をお願いしたい意味で, 今日,やってまいりました. どうかこの気持ちを,みなさん共有していただいて, もう今日からその思いを共通して,発信していただくように, くれぐれもよろしくお願いします. どうもありがとうございました.

2010年8月18日水曜日

【週刊韓(カラ)から】「慰安婦デモ」 日本大使館前でルポ

ソウル市にある駐韓日本大使館前で毎週水曜日正午から、旧日本軍の元慰安婦や支援者らが、日本政府の公式謝罪や法的補償を求めて行っている抗議集会「水曜デモ」。1992年1月に始まり、今年8月11日で930回を数えた。水曜デモを3回に渡って取材。その様子を伝える。

(ソウル 水沼啓子)

水曜デモを主催するのは、慰安婦問題を解決するために設立された韓国の団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」。韓国の反日団体の急先鋒(せんぽう)として知られる。

ただ実際にその日のデモを仕切るのは挺対協とは限らず、毎回違う。日韓の支援団体や学生らが当日のデモを企画し司会進行を務めており、参加者らも同じメンバーとはかぎらない。

7月21日の水曜デモは、ソウル市立大学総学生会の進行で行われた。夏休み中ということもあり大学生らの姿が目立った。30度近い気温の中で行われ、元慰安婦の女性は6人が参加。「日本政府は謝罪しろ、謝罪しろ」「国家賠償しろ、賠償しろ」とシュプレヒコールをあげていた。

この日のデモには、「3年越しの希望がかなって参加した」という東京都・品川区役所労働組合の組合員の姿もあった。約10人ほどが参加。「本当にごめんなさい。日本に戻ってたくさんの女性に伝えたい。ともにがんばりましょう」と訴えていた。

8月4日のデモは、日本から来た「日本軍『慰安婦』被害女性と共に歩む大阪・神戸・阪神連絡会」が企画。元慰安婦の吉元玉さん(83)の体験談を寸劇にして韓国語で披露していた。

参加者に中・高校生らの姿が目立った。元慰安婦は3人が参加。この日の最高気温は32度、湿度66%と、じっとしていても汗が流れるような蒸し暑さだった。

デモに参加したソウル市内の中学3年の女子生徒(15)は「もともと慰安婦問題には関心がなかったが、学校の先生に夏休みの宿題としてデモに参加するように言われた」と話していた。

「連絡会」のメンバーらは、デモの中でなぜか慰安婦問題とは直接が関係ない「朝鮮高校授業料無償化」も訴え、「在日」が日本でどれだけ差別されているかを切々と説いていた。

また寸劇の中では、こんなせりふが登場。

「これからも戦争してやろうと考えている人たちは、拉致事件を利用して日本と朝鮮民主主義人民共和国が仲良くなることをじゃましている。日本と朝鮮が仲良くなれば戦争に備える必要がなくなる。米国が日本に軍事基地を置く口実もなくなる。バックに米国の意図があるんです」

劇とはいえあまりにも荒唐無稽(むけい)な話。しかも「あなたたちは朝鮮総連と何か関係があるのですか」と突っ込みたくなるような政治的なメッセージも込められている。デモに参加していた韓国の若者たちが、言葉通りに受け止めたのではないかと心配だ。

8月11日は、前日に菅直人首相の“謝罪談話”が閣議決定されたことや4日後の15日に光復節(日本統治から解放されたことを祝う日)を迎えることから、普段の10倍近くの約500人が集結。元従軍慰安婦は7人が参加した。全国女性連帯が進行役を務め、歌あり、踊りあり、朗読ありで約1時間半に渡って延々と続いた。

途中で、大声を張り上げながら日韓併合条約の無効などを訴えて「1人デモ」を繰り広げる中年の韓国人男性が登場。警察官が取り囲むなど一瞬騒然としたが、しばらくすると警察官もマスコミも周りから立ち去ると、誰からも注目されないまま1人でデモを続けていた。

デモの中で、元従軍慰安婦の金福童さん(84)が大使館に向かって、こう声を張り上げた。最後は罵声(ばせい)に近い言葉だった。

「大使!大使とは何をする人か?日本政府にはっきり伝えてください。老人たち(元従軍慰安婦たち)がみな死ぬ前に謝罪と賠償をしなさい。分かっているのか。悪いやつら!心もないやつら!」

一方、水曜デモは日本大使館前の歩道を占拠する形で行われており、週日ということもあり、周辺のオフィスで働くサラリーマンやOLらの通行を妨げていることは間違いない。「邪魔だ。もっと違うところでやれ」と、怒鳴りながら通り過ぎるサラリーマン風の中年男性の姿もあった。

日本大使館前には常時、警察車両が待機し警察官が警備に当たっているが、水曜デモの際は増員され、私服の警察官らもデモも見守っている。8月11日のデモのときは、警察のバス7台が大使館前を取り囲むように縦列駐車し、物々しい雰囲気だった。

2010年8月15日産経新聞より引用-----

韓国人の元従軍慰安婦と自称する人達が運動をしているが,当の元従軍慰安婦ですら従軍慰安婦のことを分かっていないことが「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」という名称から明らかになる.

「女子挺身隊」というのは,1943年に創設された14歳以上25歳以下の女性が市町村長,町内会,部落会,婦人団体等の協力によって構成されていた勤労奉仕団体のこと.政府は翌年の1944年に勅令第519号をもって,女子挺身勤労令を公布したが,1945年3月に国民勤労動員令によって吸収されたため挺身隊は国民義勇軍に再編成された.日本における挺身隊というのはあくまで通常の勤労奉仕団体であり,軍需工場の工員や保育士や看護士として国の為に動員されただけである.

ではなぜ韓国では「挺身隊」=「従軍慰安婦」ということになっているのか? その答えは,韓国では警察・公務員によって在韓米軍相手慰安婦挺身隊と呼ばれていたのである.これは旧日本軍とは全く関係がなく,朝鮮戦争時から韓国人自らが外国人に奉仕する売春婦のことを挺身隊と呼んでいただけである.すなわち韓国人が騒いでいる従軍慰安婦問題などというものは大東亜戦争後に韓国人がでっち上げた問題なのだ.だから「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」などというおかしな名称になっているのである.

韓国の反日教育は徹底していると感じる.

デモに参加したソウル市内の中学3年の女子生徒(15)は「もともと慰安婦問題には関心がなかったが、学校の先生に夏休みの宿題としてデモに参加するように言われた」と話していた。

宿題がデモの参加とは恐れ入る.これに対して日本では教育現場では何も手を打たないばかりか,逆に従軍慰安婦問題があったかの如く歴史教育をしている教師もいる. こんなことでは,いつの日か従軍慰安婦問題が本物と見なされ国際的にも日本人が行なった蛮行として後世に語り継がれてしまうだろう.

フランスは返還拒否 韓国からの“略奪文化財”

【ソウル=黒田勝弘】日本から韓国への“文化財返還”があらためて問題になっているが、フランスは韓国への返還をいまなお拒否し続け、交渉は17年間も難航している。

フランス所有の韓国文化財というのは、李朝末期の1866年、フランス艦隊がソウル近郊の江華島に侵攻し、島にあった王室文庫の「外奎章閣」から奪っていった文書。

日本から“引き渡し”が予定されているのと同じ王室儀礼に関する「儀(ぎ)軌(き)」で、191種・297巻がフランス国立図書館(BNF)に所蔵されている。

韓国の返還要求に対し1993年、当時のミッテラン大統領が訪韓の際、うち1巻を「永久貸与」として韓国政府に引き渡した。フランスとしては韓国への高速鉄道売り込みの“手みやげ”だった。

韓国側はこれをきっかけにすべての返還を期待し交渉を続けたが進展はなかった。最近、韓国政府は「永久貸与」式の“返還”を打診しているが、フランスは応じていないという。

フランス側は文書の所有権はあくまでフランスにあるとし「返還」には強く反対してきた。「永久貸与」も国内法上、問題があるほか、数多くの他の外国文化財の返還問題にも火が付く恐れがあるため、決めかねているという。

フランスは韓国からの明らかな“略奪文化財”であっても「返還」には応じていないのが実情だ。

今回、菅直人首相の「首相談話」は韓国側に「返還」ではなく「お渡ししたい」としている。いわば「無償譲渡」という感じだ。対象は日本政府(宮内庁)保管の「王室儀軌」167巻というが、これが日本側に渡った正確な経緯は日本統治時代(1910~45年)をふくめ必ずしも明らかでない。

日韓間では1965年の国交正常化の際、文化財返還も交渉の対象になり、双方の政府合意で一定のものは返還された。

しかし韓国側は「まだ日本には数多くの韓国文化財が存在する」とし、略奪とは関係ない売買、収集などによる民間所有のものをふくめ返還を求める声が続いている。

2010年8月18日産経新聞より引用-----

【正論】拓殖大学客員教授・藤岡信勝 日本がハングルを学校で教えた

日本の歴史教育では、小学生段階から日清戦争を扱い、日本はこの戦争に勝って清から賠償金を取り、台湾を日本の領土にしたことを教えているが、日本が日清戦争をたたかった真の目的を教えていない。

戦争に勝った国は、講和条約の最初の条文にその国が最も欲することを書き込む。日清戦争の戦勝国である日本が日清講和条約(下関条約)の第一条に書き込んだのは、領土でも賠償金でもなく、「清国ハ朝鮮国ノ完全無欠ナル独立自主ノ国タルコトヲ確認ス」という文言だった。日本が最も求めていたのは、朝鮮国の清国からの独立だったのである。なぜか。

◆半島に自主独立国家を期待

欧米列強の脅威にさらされていた明治の日本は、自国の安全を確保するため、朝鮮半島に自主独立の近代化された国家が成立することを強くねがった。福沢諭吉は次のように論じた。

「いま西洋が東洋に迫るそのありさまは、火事が燃え広がるのと同じである。この火事から日本という家を守るには、日本の家だけを石造りにすればすむというものではない。近隣に粗末な木造家屋があれば、類焼はまぬかれないからである」

日本、朝鮮、清国という、お互いに隣り合う家屋の安全のためには、隣の家の主人を半ば強制してでもわが家に等しい石造りの家をつくらせることが必要である、というのが福沢の考えであり、明治政府の考えでもあった。近代日本の置かれた立場を理解させない歴史教育は教育の名に値しない。

◆朝鮮語を「奪った」との謬論

李朝時代の朝鮮が「粗末な木造家屋」であったことは、朝鮮の外交顧問であったアメリカ人のスティーブンスさえ、日露戦争のあとで、次のように述べていたことからわかる。

「朝鮮の王室と政府は、腐敗堕落しきっており、頑迷な朋党は、人民の財産を略奪している。そのうえ、人民はあまりに愚昧(ぐまい)である。これでは国家独立の資格はなく、進んだ文明と経済力を持つ日本に統治させなければ、ロシアの植民地にされるであろう」

朝鮮の近代化は、日韓併合後の日本統治によって初めて実現した。日韓併合100周年に当たっての菅直人首相の謝罪談話を推進した仙谷由人官房長官は8月4日、日本の「植民地支配の過酷さは、言葉を奪い、文化を奪い、韓国の方々に言わせれば土地を奪うという実態もあった」と発言した。あまりの無知に開いた口がふさがらない。ここでは、日本が朝鮮人から「言葉を奪った」という官房長官の妄想についてだけとりあげる。

日本統治時代、朝鮮半島に在住した日本人は、人口の2%に過ぎない。2%の人間がどうして他の98%の人間から、土着の言葉を「奪う」ことができるのか。

仙谷氏は、日本統治下の学校で日本語が教えられたことを、誤って朝鮮語を「奪った」と一知半解で述べたのかもしれない。それなら、この謬論(びょうろん)を粉砕する決定的な事実を対置しよう。

韓国人が使っている文字、ハングルを学校教育に導入して教えたのは、ほかならぬ日本の朝鮮総督府なのである。

李朝時代の朝鮮では、王宮に仕える一握りの官僚や知識人が漢文で読み書きをし、他の民衆はそれができないままに放置されていた。ハングルは15世紀に発明されていたが、文字を独占していた特権階層の人々の反対で使われていなかった。それを再発見し、日本の漢字仮名まじり文に倣って、「漢字ハングル混合文」を考案したのは福沢諭吉だった。

◆先人の苦闘の歴史冒涜するな

朝鮮総督府は小学校段階からハングルを教える教科書を用意し、日本が建てた5200校の小学校で教えた。日本は朝鮮人から言葉を奪うどころか、朝鮮人が母国語の読み書きができるように文字を整備したのである。

併合当時、韓国の平均寿命は24歳だったが、日本統治の間に2倍以上に延び、人口の絶対数も倍増した。反当たりの米の収穫量が3倍になり、餓死が根絶された。はげ山に6億本の樹木が栽培され、100キロだった鉄道が6000キロに延びた。北朝鮮が自慢げに国章に描いている水豊ダムは、日本が昭和19年に完成させた、当時世界最大級の水力発電所だった。

これらのめざましい発展は、統治期間に政府を通じて日本国民が負担した、現在価値に換算して60兆円を超える膨大な資金投下によってもたらされた。本国から多額の資金を持ち出して近代化に努めたこのような植民地政策は世界に例がない。日本の朝鮮統治はアジアの近代化に貢献した誇るべき業績なのである。

日韓併合100年の首相謝罪談話は、このような歴史的事実を無視した虚偽と妄想の上に成り立っている。それは、わが国の先人の苦闘の歴史を冒涜(ぼうとく)するものであると同時に、日本統治下で近代化に努力した朝鮮の人々の奮闘をも侮辱するものであることを忘れてはならない。

(ふじおか のぶかつ)
2010年8月18日産経新聞より引用-----

2010年8月16日月曜日

【正論】筑波大学大学院教授・古田博司 史実書きかえは韓国の方が困る

今年は日韓併合100年記念ということで、韓国で日韓併合条約無効論が盛りあがりを見せ、日本の非良心的・反進歩的知識人が5月に、それに同調する声明を出した。今回、自信喪失内閣が、首相談話で「無効」論に荷担しなかったことは、ひとまず慶賀しなければなるまい。

≪「無効」では辻褄が合わなく≫

遠く異朝をとぶらえば、朝鮮王朝などという王朝はなかった。朝鮮国の李朝である。この李朝は高麗武将のクーデターによる簒奪(さんだつ)王朝である。国名は明に決めてもらった。米ハワイ大学図書館には朝鮮から中国への書状の写しが残されているが、17世紀から18世紀までの4人の王の賀状が含まれている。即位の年には、「朝鮮国、権署国事、臣李某」から始まり、「国事をかりに処理する臣下の李」とはっきり書かれている。朝鮮は中国の属国であった。

19世紀に入り、日清戦争の結果、下関条約により朝鮮は独立し、大韓帝国となった。その後、1910年に日韓併合されて日本植民地となるのだが、2001年の国際会議で英ケンブリッジ大学の国際法学者、J・クロフォード教授が主張されたように、「強制されたから不法という議論は第一次世界大戦以降のもので、当時としては問題になるものではない」。

しかし韓国では、併合条約は強制されたもので、不義不当であり、ゆえに不法無効であると言いつづけている。無効では勿論(もちろん)ないが、かりに無効だとすれば、かえって困ることになるのではないか。下関条約以降、今日までずっと独立国だったということになる。さすれば、当時の大韓帝国の主権であった王権は一体いつ消滅したのか。民権にいつ移行したのか。27代の王、純宗が1926年に逝去する。子の李垠は戦後まで王宮に帰らなかったので、純宗の死と共に王権は消滅したのである。大韓民国が民権をもってスタートするのは、1948年の建国以降であるから、それまでの22年間、主権の空位が生じてしまう。「日本国権署国事期」とでもするのであろうか。

≪「不幸な歴史」は認めるが…≫

韓国の歴史が不幸であったことは筆者も認める。中国の属国から、近代日本にもぎ取られて植民地となり、国権は失ったものの、ようやく白衣貧窮の古代経済から解放された。年平均3・7%の経済成長を遂げ、近代日本によって移植された民法典と私有財産制は朝鮮人すべての財産を守った。コメは増産され、経済法則に則(のっと)って日本に輸出された。これらはすべて、韓国の経済史学者らによって実証されたことである。

しかるに、戦後、38度線で体制が北と南に分裂した。北はソ連の傀儡(かいらい)国家から始まり、主体思想により自立の道を歩もうとしたが、経済の不振はふたたび朝鮮を中国の半属国の地位におとしめてしまった。中朝の歴史をフラッシュバックするように、北はしょっちゅう中国へお伺いを立てに行く。

韓国は一層努力した。前身は、属国と植民地だけの歴史である。独立は自力で勝ち得たものではなく、アメリカから棚ぼた式で降ってきた。そして三方を海に囲まれ、北方には行けず、いわば「島化」したのだが、この困難な状況下で国民国家として何とか自立しなければならなかった。そのため他律性そのものであった歴史を自立的な歴史に書きかえようと奮闘した。それを日本の左派学者たちが虚偽の学説で支援しつづけた。

≪教育の改悪を止めること≫

彼らは言った。朝鮮の農村マニュファクチュアは1860年代に成立していた、と。日本では桜田門外の変の頃である。あり得べくもない話だが、その資本主義の萌芽(ほうが)を植民地日本が摘んでいったのだと、韓国の左派学者は主張した。ちなみに現在のイギリス史では、農村マニュファクチュアが資本主義の萌芽になることを既に否定している。毛織物では寒い地方しか着ないから販路が狭すぎる。独立自営農民たるヨーマンは、もうけると皆地主になった。資本主義は綿織物をもってインドとの三角貿易に従事したジェントリーが起こしたものである。これを現在のイギリスで「ジェントルマン資本主義」と称している。

韓国は立派に資本主義国家として自立し、歴史上初めて中国の影響下を脱することができたのである。最早(もはや)これ以上、歴史を改竄(かいざん)する必要がどこにあるのだろうか。

もうよい、韓国人よ、正気にもどれ。韓国の歴史教科書がひどい内容であることは、韓国の心ある人々はもうみんな知っている。日本人も、非良心的・反進歩的知識人以外はみんな分かっている。教育がこれ以上悪くなれば、推計300万といわれるアメリカ等への脱南移民はさらに増えることだろう。タイムマシンに乗ったつもりで、過去の事実を書きかえれば書きかえるほど、現在との矛盾に苦しむのは寧(むし)ろあなた方なのだ。

最後に、日本人の優しさから今回貴重な図書を渡すが、どうか行方不明の例をこれ以上作らぬよう、保管力を是非高めていただきたい。(ふるた ひろし)

2010年8月16日産経新聞より引用-----

2010年8月12日木曜日

【検証・日韓併合100年】

7月21日、複数の民主党有力議員が韓国・ソウルを訪れた。彼らは旧知の青瓦台(大統領府)幹部らとの会談でこう尋ねた。

「どのような首相談話を希望されるのか」

韓国サイドは「日本のやりやすいものを行動でみせていただければ、高く評価できる」と応じたという。

仙谷由人官房長官が、日韓併合100年にあたり首相談話を検討していることを明らかにしたのは7月16日の記者会見だった。

突然の表明に慌てた事務方は仙谷氏に「村山談話を超えるものは無理だ。補償問題に踏み込めば、中国やフィリピンなどアジアが沸騰する」と再三説明した。平成7年に終戦50年に際して村山富市首相(当時)が発表した首相談話はアジア全般を対象とした。新談話ではどう新味を付けるのか。通常ならば事務レベルが両国の相場観を探るが、政治主導にこだわる民主党政権でそれはなかった。

結局、これが、先述の政治家が相手国中枢部に直接尋ねるという外交の常識外の珍事につながった。いきさつを聞いた政界筋は「民主党は外交も国対の感覚なんだな…」とあきれた。

× × ×

日韓併合100年をどう乗り切るかは昨年来、両国政府の懸案だった。政府レベルの行事は行わず、静かにやり過ごすーこれが当初のコンセンサスだった。

昨年9月の政権交代で韓国側が期待値を上げた時期もあったが、小沢一郎前幹事長の定住外国人への地方参政権付与に関する世論を無視した「空手形」や、鳩山由紀夫前首相の米軍普天間飛行場移設問題での迷走を横目に、韓国の民主党熱は急速に冷えていった。

再び韓国の期待に火を付けたのは民主党の「歴史観」だった。「自虐史観」「贖罪意識」といった方がよいかも知れない。

2月に初訪韓した岡田克也外相は、柳明桓外交通商相との共同記者会見で日韓併合100年を「大きな節目の年である」と明言し、「民族の誇りを傷つけられた人々の気持ちは理解できる」と踏み込んだ。

続いて今春には民主党幹部から韓国側にあるマル秘計画が伝えられた。関係者は「日本政府が今夏に慰安婦政策の転換を検討中という話だった」と証言する。

政策転換とは、慰安婦らの個人補償問題を政府・与党で進めることを指す。昭和40(1965)年の日韓基本条約と関連協定で両国は個人補償請求権問題を「完全かつ最終的」に解決しているが、政策転換が実現すれば、日韓条約体制を覆すことになる。

実際、民主党は20年までの9年間、元慰安婦に国が謝罪し、金銭支給する「戦時性的強制被害者問題の解決促進法案」を国会に提出してきた。

法案の旗振り役である仙谷氏は7月7日、日本外国人特派員協会で講演し、こう述べた。

「法律的に正当性があるといってそれだけで物事が済むのか。改善に向けて政治的な方針を作り、判断をしなければいけない案件もあるのではないか」

日韓戦後処理に「新たな個人補償」の政治方針も可能だと示唆したに等しい。これが政権ナンバー2の発言だっただけに衝撃は大きかった。

4日後の7月11日に民主党は参院選で大敗した。もし民主党が参院選を制していれば、談話に日韓「65年体制」(基本条約体制)を根底から揺るがす内容が盛り込まれたかもしれない。

× × ×

7月16日、仙谷氏によって日本政府が新談話の検討に入ったことが公言されると、韓国サイドは外交ルートのみならずさまざまな要望を提示した。

その最右翼は「日本が『強制的な日韓併合条約(1910年)はそもそも無効であった』と認めれば、最高だ。どうせ出すなら村山談話や河野談話を上回ったものにしてほしい」(外交官ルート)という日韓併合条約の不法・無効論だった。日本の事情に通じる知日派は「戦後補償には発展しない形でのお詫びでいい。戦後補償までいくと日韓関係がぼろぼろになってしまう」(政治家ルート)との提言を伝えた。

7月27日、韓国・ソウル市でシンポジウム「日韓の過去100年を回顧するとともに未来100年を設計する」が開かれた。

主催は盧武鉉政権下で慰安婦、竹島、教科書問題などの歴史認識に関し、反日強硬路線の歴史見解をまとめた「東北アジア歴史財団」。日本から日韓議連会長に就任した渡部恒三元衆院副議長ら与野党議員数人と研究者らが出席した。

渡部氏は「非常に歓迎されました。韓国の皆さんはこれからの100年が東アジアにとって大事であると前向きな話だった」と打ち明けるが、新談話への要望がいくつも出たという。

「朝鮮半島はこれから統一の時代に入る。日本にはいい役割を果たしてもらいたい。また中国の台頭を牽制するためにも日韓連携は重要だ。それにむけ日本は戦略的な決断をすべきだ」

ある韓国国会議員はこう言って、竹島(韓国名・独島)、慰安婦、教科書問題をまとめて解決するよう促したという。

だが、参院選大敗により、仙谷氏が固執した個人補償にからむ政策転換はお蔵入りとなった。談話の方向性は7月末に「村山談話」の踏襲でほぼ固まり、韓国側の求める文化財引き渡しなどをこれに加える方針に集約されつつあった。

それでも民主党内では首相談話への異論が日ごとに強まった。ある保守系議員は危機感をにじませる。

「歴史問題を突出させれば政権そのものが吹っ飛ぶ。いまの官邸の政策決定システムは危うい」
× × ×

日韓は平成27(2015)年に国交正常化50周年を迎える。この慶事を前に日韓併合100年に併せた首相談話が必要だったのか。村山談話を絶対視する政権首脳は理念ばかりを先行させた。そこには歴史問題を外交から切り離し成熟した関係を築くーという戦略性は見えてこない。(久保田るり子)

日韓併合100年の首相談話は当初、8月15日に予定されていた。

「出すのなら、早くならないか」

こう打診したのは韓国側だった。

韓国で反日ナショナリズムがメディアを中心に高まる8月15日の光復節(日本統治からの解放記念日)には、李明博大統領の演説がある。併合100年の大統領演説には大きな注目が集まる。韓国側はこう持ちかけた。

「15日に(談話の)評価を込めて演説をしたい」

韓国側の要望は2つ。(1)「村山談話」(平成7年)の「痛切な反省」の主語として、併合が韓国人の「意に反して行われた」との言及が欲しい(2)文化財返還も、談話に入れてほしい-。菅談話は、(1)も(2)も受け入れた。特に「意図に反した併合」のくだりは韓国の史観の引き写しかと見まがうばかりだ。

李政権にとって、今夏の対日政策は、国内政治だったという見方もある。李明博政権は8月で後半任期に入り、すでに次期大統領選を意識した展開に入っている。進歩勢力が李政権の対応の甘さを指摘して反日運動が燃えさかっては困る。今夏をうまく乗り切る必要があった。

両国政府を「菅談話」に集約していった背景には、国際情勢も影響していた。 日本の菅政権が自民党政権下になかった東アジア共同体などアジア重視を打ち出そうとしたのに対し、韓国の李明博政権にとっては、北朝鮮による哨戒艦撃沈事件発生後、対日政策より対北対応が焦眉(しょうび)の急となっていた。

「韓国は日本の重要性を再認識していた」(外交筋)
■■■

仙谷由人官房長官は7月28日午前の記者会見で、7月末の予定だった平成22年版防衛白書の閣議了承を9月以降に先送りすると発表した。唐突な発表だった。防衛白書には今年も当然、竹島(韓国名・独島)領有が明記されていた。

仙谷氏は「東アジアの平和と安定は日韓連携の強化に尽きる。その観点からあらゆる政策課題を判断する」と、この先送りが8月に併合100年に関連する節目(15日の光復節、条約署名の22日、条約発効の29日)への配慮であることを認めた。

韓国政府筋によると、この数日前、日本は青瓦台(韓国大統領府)に「防衛白書の閣議了承を延期する」と伝えていた。官邸は念入りに李政権の立場を斟酌(しんしゃく)したのだ。

何のための延期か、国内では疑問の声が相次いだ。「延期しても秋に出す。内容は変更しないのだから、かえって韓国側からの反発が強まる」と政府内には官邸の過剰な配慮の愚策を指摘する声は絶えない。

7月29日、権哲賢・駐日韓国大使が首相官邸を訪れた。相手は仙谷官房長官。2人は初対面。名目は「表敬」であるが、防衛白書先送りへの「あいさつ」でもあった。

■■■

談話の用語をめぐって問題視する指摘が相次いでいる。代表的なのが冒頭部分だ。

「政治的・軍事的背景の下、当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷つけられました」

韓国側の求めに応じ「意に反して」などの文言を盛り込んだため肝心の主語が日本ではなく韓国となってしまった。また、「政治的・軍事的背景」との用語を入れる必要があったのか。「まるで反日勢力の抗議文だ」と疑問視する専門家もいる。

談話は「歴史を直視する勇気」の段落で「植民地支配がもたらした多大の損害と苦痛」と述べた。首相談話に法的拘束力はないものの、なぜ、「多大の犠牲」ではなく「損害」なのか。

「首相談話で『損害』が認められたことを喜んでいるのは北朝鮮だ。将来の国交正常化交渉で北朝鮮が一気に優位に立った」と懸念する専門家が少なくない。

(久保田るり子)

2010年8月10日・11日産経新聞より引用-----

中国で謝罪要求再燃? 首相の謝罪談話に

日韓併合100年を受けて菅直人首相が発表した謝罪談話は韓国はもとより中国でも大きな関心を持って報じられた。中国では同国への謝罪を促す論調が目立ち、韓国メディアは評価の一方、強い不満も示した。談話がかえって反日感情を呼び起こすのではないか、との懸念の一端が示された形だ。(北京 川越一)

中国国営新華社通信は10日、産経新聞の社説を引用し、菅首相の謝罪で韓国側が新たな賠償を求める可能性を示唆した。しかし、中国各紙は、談話を日中間の問題にすり替えて報じている。

11日付の北京紙、新京報は「日本がおわびしなければならないのは韓国だけではない」と題する論評の中で、「日本の植民地支配や侵略を受けたのは韓国にとどまらない。北朝鮮も冷酷な統治を受けた。中国、東南アジア諸国も同様に日本帝国主義の苦しみを味わった」と主張し、今回の謝罪は政治的な道具と断じた。

清華大国際問題研究所の専門家は国際情報紙、環球時報に対し、「日本は中国に対し、反省は示しているが、謝罪の言葉はひと言もない」と述べた。謝罪によって日韓関係を強化し、北東アジアにおける中国の影響力を牽制(けんせい)する狙いがあるとの指摘もある。

昨年夏、江蘇省南京市の南京大虐殺記念館で日本の漫画家による「私の八月十五日展」が催された。外交筋によると、終戦前後の体験を描いた漫画は好評を得て、今年は中国各地の虐殺記念館で展示される予定になっている。

同紙が10日、談話発表を受けて行ったアンケート調査によると、回答者の98%が「日本は中国人民に対し、侵略戦争問題について正式に謝罪しおわびするべきだ」と答えた。中国人の一方的な歴史認識に変化の兆しが現れていた矢先、菅首相の謝罪談話は反日の機運を再燃させかねない。

2010年8月12日産経新聞より引用-----